勉強と居場所 - 学校と家族の日韓比較

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勉強と居場所 - 学校と家族の日韓比較

  • ISBN:9784326250936

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内容説明

日本では、家庭の階層によって生徒の学習意欲・進学意欲に大きな格差が生じている。一方、韓国の生徒の学習意欲は総じて高く、階層による意欲の差は小さい。勉強、進学意欲、親子関係、友人や教師との関係など多角的に分析することにより、学習を支える学校と家庭の具体的要因を明らかにする。学校教育再生へのヒントがここにある。

目次

まえがき 渡辺秀樹

序章 変容する社会と青少年の社会化 松田茂樹・竹ノ下弘久
 1.教育・雇用・学校適応とその困難
 2.理論的背景
 3.研究の経緯と方法
 4.本書の構成

第I部 教育と政策
第1章 青少年政策の日韓比較 ―教育から雇用への移行過程をめぐって 金 鉉哲
 1.成人期移行問題への問い
 2.比較の視座一競争の有り様
 3.青少年政策の変化と政策疲労現象
 4.青少年政策と地域の事例一限界と可能性
 5.終わりに
第2章 子どもの成績と親のサポート 竹ノ下弘久・ベ智恵
 1.階層研究のなかの教育機会の不平等
 2.教育社会学と家族社会学による教育達成についての研究
 3.制度編制と教育達成との関わり
 4.日本と韓国における教育システムと家族的背景
 5.分析戦略
 6.データと変数
 7.記述統計からみる親の教育への関与
 8.親の教育に対する関与と学業達成
 9.家族的背景と親の教育への関与
 10.考察と結論
第3章家族ぐるみの学歴競争 ―家庭環境に左右される進学意欲 松田茂樹・ベ 智恵
 1.進学意欲と家庭環境への注目
 2.日韓米の進学率と進学意欲
 3.進学意欲を左右する家庭環境
 4.家庭の教育支援
 5.日本の教育向上のために

第II部 日常
第4章 青少年のジェンダー意識と教育アスピレーション ベ智恵
 1.はじめに
 2.先行研究
 3.方法
 4.分析結果
 5.結論
第5章 居場所を求める若者/受験競争する若者 ―インタビュー調査にみる日韓の学校生活と友人関係 阪井裕一郎
 1.インタビューから探る若者の現在
 2.学校空間と友人関係の現在―先行研究の検討
 3.日本の中高生の日常を探る―首都圏でのインタビュー調査から
 4.受験競争する韓国の中高生―成績に規定される人間関係
 5.韓国の若者のリアルー2人の高校生から考える
 6.おわりに

第6章日韓青少年の学校生活を支える要因 ―学業・学習観と生活のあり方を手がかりに 小澤昌之
 1.本章の研究課題
 2.日本の中高生に関する学校生活の現状
 3.韓国の中高生に関する学校生活の現状
 4.使用するデータと変数
 5.分析結果
 6.まとめと考察

終章 研究の総括と課題 渡辺秀樹
 1.日韓の比較研究と日韓の共同研究
 2.本書の知見から
 3.本調査の課題

文献
あとがき 渡辺秀樹
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いよ

7
大学図書館で借りる。レポート課題のために借りて、ざっと目を通した。他国の学生との勉強姿勢の比較ではあるが、自国の教育についての課題点にも気付けるので、たまにはこういう本もありだな、と思う。友人関係の希薄さは、好きなものに籠って周りを見ないことに繋がるのではと思う。よくするためには波風がたったとしても、行動する以外で変えられないのが、人間社会ではないだろうか。自分は関係ない、が浸透したからこそ、今の世の中が出来上がっているのかもしれない。若い世代も今一度、こういうことについて面倒でも考え直すべきなのだろう。2017/01/07

ブルーツ・リー

4
日本と韓国の学校事情を比較した書。 韓国では、日本よりも学問を重視し、「学校とは、勉強を教わる場所だ」という意識が強く、日本では、勉強が余りできない人にとっては、部活動や、友達との交流の場になっているという事で、このタイトルは、「勉強」を重視する韓国と、「居場所」を重視する日本を表しているそう。 儒教圏である事もあって、家族主義だったり、学問を重視する国同士であったり、似た者同士、という感があるが、細かい所を比較していくと、規律や場の雰囲気を重視する日本と、徹底した学問を貫く韓国と、それぞれ個性が見える。2022/08/04

鵜殿篤

0
極めて有意義な本だと思った。数字にから結論を導き出すことの意義がよく分かる研究だ。データに対して謙虚で、都合の良い無理な結論を引き出していないのも好印象だった。力作だと思う。勉強になった。 韓国の教育事情や若者の置かれた立場についてもたいへん勉強になったが、やはり日本の若者の意識に関しては、私自身が日常的に学生たちと触れていることもあって、いろいろ思うところがある。価値が多元化して、意識が「コンサマトリー化」したというのは、私の実感としても、ある。2019/08/17

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