内容説明
〈知の旅〉〈足の旅〉名手が綴る59篇。書物、映画、酒、アジア…「人生」と「旅」をキイワードに古今東西に思いを馳せる。心のおもむくままの旅――いつでも、どこでも、旅は始まる。日々の暮らしの中にも、心を澄ませばすぐ「旅」が見えてくる。本、音、食、酒への「知の旅」、アジア、アフリカ、ヨーロッパへの「足の旅」。「好奇心」をキーワードに、古今東西の異郷を探究してめぐり歩く、珠玉のエッセイ集。心ゆたかな名手がつづる。「旅」は今日も続く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
10
一言で言うと「寄せ集め」だな。紀行もあるにはあるが。(1997年10月)1997/10/15
MIKETOM
4
こういうタイトルだが紀行文は全体の半分ほど。一枚の写真にあれこれ解説を加えてるという形式が多い。全体にアジア圏に偏っていて、もっと世界各地を紹介して欲しかったかな。残る半分は「知の旅」と称して、まあ、阿刀田の普通のエッセイ。しかしまあ、よくこれだけエッセイネタが続くもんだと思う。ふと思いつくんだろうか。肩が凝ることもなく、変わらず気楽にエッセイを楽しめるのが阿刀田のいいところだね。2019/02/08
KAZOO
4
様々な雑誌や新聞、ミニコミ誌に掲載されたエッセイを、知の旅と足の旅に分類して文庫としたものでちょっとした時間をつぶすにはもってこいの本です。知の旅には書評や作品をつくるヒントなどが、足の旅には主にアジア、オセアニアを旅行した短文が写真とともに掲載されています。写真がカラフルでないのがちょっと残念でした。2013/09/02
skyfield
2
「紀行」という表題から想像される旅行記はほとんどない。作者のバックボーンや好きな作品・嗜好などを語った〈知の旅〉と旅全般と世界各地について語った〈足の旅〉の2章立てのエッセイ集である。題名は心象風景や世界各地の風景が作者の好奇心からの空想によって広がっていく様を表しているようである。個人的には〈知の旅〉の方が、作者の趣味・嗜好が見えてきて興味深い。私は小説の中の食べ物の描写が巧みであるところから、きっと作者は食道楽だろうと思っていたのだが、そうでもないことが書かれていて少し驚いた。2011/08/13