扉はひらく いくたびも 時代の証言者

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扉はひらく いくたびも 時代の証言者

  • ISBN:9784120054129

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内容説明

読売新聞連載時から大反響!生い立ち、葛藤に直面した青春時代、名作『風と木の詩』『地球へ…』創作秘話、マンガを学問として追究、学生へ指導、デジタルを駆使し描くことへの新たな挑戦…時代と共に駆け抜けた、その半生を語りおろす。未知の表現に挑み続ける漫画家、竹宮惠子の決定版自伝。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

102
『風と木の詩』以来、竹宮さんの漫画を読み続けてきた。原画´展にも何度も足を運び、話を交わしたこともある。明るく機転の利く話の巧い人と感じたが、そうでなくては大学教授や学長など務まらないだろう。極度に内面的で世間とは距離を置くタイプの萩尾さんとは正反対で、同じ少女漫画界に進んだ天才の両者が同時代に似た方向性を追求したのは偶然か必然だったのか。しかし社交性の高い竹宮さんは大泉での決裂を過去の話と消化できたが、萩尾さんは半世紀も引きずっていた。人生には扉は何度でも開く人と、一度閉じた扉は二度と開かない人がいる。2021/09/07

akihiko810/アカウント移行中

37
読売新聞に連載された、少女漫画家・竹宮惠子の自伝。印象度A  以前の自伝「少年の名はジルベール」よりも、長いスパンで語る。自身の生い立ちや、京都精華大学マンガ学科(今は学部)で講師をしてた話など。父親が陸軍中野学校出のスパイだったというのは初めて知った。そしてその話を元に「紅にほふ」という戦争の話を描いたことも知らなかった。 竹宮惠子は、BLのない時代にBLを初めて一般少女漫画で描いた(風と木の詩)、まさに「少女漫画の革命家」のひとりだったんだなーと改めて思う。竹宮作品は「地球へ…」だけ持ってて積読状態2022/07/19

ぐうぐう

35
読売新聞に連載された語り下ろしの自伝を大幅加筆、再構成した単行本。語りの聞き書きであることで、とてもソフトな印象を受ける。が、その印象の最大の原因は、『少年の名はジルベール』で語りづらい部分を先に吐き出していたからだろう。言うまでもなくそれは、体調不良まで引き起こしたスランプの時期と、萩尾望都との決別のエピソードだ。『ジルベール』が革命の記録であったがゆえに、読む側もキリキリと胸が痛む場面が多かったが、本書の語りは『ジルベール』で覚悟をもって吐き出したあとのことなので、(つづく)2021/03/31

宇宙猫

24
★★★★ 近頃この年代の漫画家さんの本をよく読むけど、引いて淡々と語っているのが他の人とは異なる。語り下しだからかな。「ファラオの墓」が風木の発表のために描いたとは驚きだし、私にとっては恋愛抜きには成り立たない作品なのに、恋愛は人気取りに追加したというのは衝撃。出版社との駆け引きとか、事情がいろいろ分かって面白かった。2021/09/27

sasara

20
今まで負けたことがないケーコタンはピアノ音大受験より少女マンガプロデュースに興味がある物知りノンたんと男社会で社会的地位が低かった少女マンガ界を少年愛ストーリーで改革を夢見るも天才モーさまに劣等感を抱きストレス過多によるスランプに陥る。大泉サロン解散を申し出、その後距離を置きたいと伝え絶縁状態になり現在に至る。「風と木の詩」「地球へ」発表し少女マンガ改革達成。教授学長を歴任。紫綬褒章受賞。「花の24年組」も70才を越え伝説のトキワ荘に続く大泉サロン物語を確立したい想いは届くのか。 2021/05/22

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