内容説明
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ベクトル解析は数学のあらゆる部門で活躍するとともに、その応用がもっとも広いものの一つである。ベクトル解析は数学の他の分科の随所に現れるから、その時々に最小限必要な説明は行われているが、統一的に十分整理された知識を得る好機を逸してしまいがちである。しかもベクトル解析学は、数学のみでなく、物理学、工学などにも応用のきわめて広い学問であり、その十分整理された知識なくしては、その応用において非常に大きな困難を生じる。本書は、以上の点を考慮し、まずベクトル代数学とベクトル解析学に対する基本事項を十分に説明し、それらを理解するための例、問題も豊富に挙げ、その解法を詳述した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MAT-TUN
3
何度となく繰り返し本書でベクトル解析を鍛えている。高校生で習得するベクトルではベクトルの微分、積分、外積、ベクトル場、スカラー場などが不十分であるので、本書を用いて訓練に励むとよいと思う。力学や電磁気学、弾性理論を学ぶ際に用いるといかが。さすが矢野先生の著作。矢野先生は1912年生まれで、小学生のときに来日したアインシュタイン博士および相対性理論を知ったという。後にプリンストン高等研究所に赴任し、アインシュタイン博士と親交を深めた。本書は物理学に対する配慮が行き届いている2012/05/30