宝島社文庫<br> 甘美なる誘拐

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¥880
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宝島社文庫
甘美なる誘拐

  • 著者名:平居紀一【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 宝島社(2021/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784299014924

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内容説明

第19回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作! ヤクザの下っ端二人組、真二と悠人。人使いの荒い上司にこき使われる彼らの冴えない日常は、ある日、他殺体を発見したことで変わり始める。同じ頃、下町で自動車部品店を経営する植草父娘は、地上げ屋による嫌がらせで廃業に追い込まれかけていた。抵抗するため、父娘はある人物を頼るが……。一方、宗教団体・ニルヴァーナでは、教祖の孫娘が誘拐される事件が起きていた。様々な人物や事件が、衝撃のラストに帰結する、誘拐ミステリーの新機軸!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナルピーチ

208
ヤクザ見習いの真二と悠人。この二人を中心に描いた誘拐劇の始まりだ。軽快な会話は読んでて面白い。主役以外のキャラも引き立っている感があって良かった。だけど何故か読み疲れた感が…誘拐・コンゲーム・殺人事件と物語の構成、そこからくる結末は確かに読み応え満載な内容だったけども、この手の作品はテンポが大事。中盤からの場面展開を詰め込み過ぎた印象で中弛みしてしまった。でも“人物像”の描き方は巧いと思えるし、この二人の今後の成り上がり人生はまだまだ見てみたい。次作に期待!2021/11/03

machi☺︎︎゛

141
ヤクザの下っ端の真二と悠人。調布で部品屋を家族で営む植草浩一と菜々美。謎の宗教団体、ニルヴァーナ。この3つが絶妙に絡まり合い誘拐事件が起こる。だけどあまり緊迫感はなくほのぼのと話は進み、最後の追い込みが良かった。真二と悠人の掛け合いが面白かった。2021/10/02

utinopoti27

141
冴えない毎日を送るヤクザ見習いの二人が、兄貴分から言いつけられたのは誘拐だった・・。怪しげな宗教団体。地上げ屋のいやがらせに悩む自動車部品店の父娘。殺された金貸しの老人。これらのシナリオは、やがて一つの結末に向けて収斂していくことになる。実行行為を先に描写し、その後時系列を巻き戻す手法が印象的な本作、コンゲーム的要素も相まって、完成度は高い。ただ、本作を楽しむためには、やや退屈な前半をじっくり読み込む必要があるという点において、一般受けするかどうかは微妙だが、今後どう化けるのか、楽しみな作家には違いない。2021/07/17

イアン

128
★★★★★★★☆☆☆「このミステリーがすごい!」大賞・文庫グランプリを受賞した平居紀一のデビュー作。とある誘拐事件に加担することになった下っ端ヤクザの真二と悠人だったが、成り行きで別の女性も拉致してしまい…。全体的にコミカル調で暴力シーンもほぼ皆無のため、極道ものに抵抗がある人でも充分楽しめる。コンゲームの様相を呈した群像劇が収束していくラストは爽快感があるけど、時系列を前後させるならもっと叙述的な試みがあっても良かった。とは言えデビュー作としては及第点以上で、今後追いかけていきたい作家がまた一人増えた。2021/05/16

ALATA

113
半グレヤクザの真二と悠人が宗教団体教祖の孫の誘拐を企てるミステリー。二人の会話は大阪弁を交えテンポのよい掛け合いが心地よく、するすると読みおおせた。ドローンを使った強奪や見立て、身代わりなど二重誘拐の筋立てを呈し前に戻り、確認しながら読了。地上げに絡むコンゲームの要素もあり面白くて読ませていただいた。★4※いちご大福、宝くじと道具立ても際立ち、久々に騙されました。春香と菜々美のサイドストーリーがもう少し欲しかったかも。2022/04/14

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