- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少女/レディース)
内容説明
しんどい現実を生きる女たちを照らす傑作!
オカヤイヅミ、デビュー10周年を飾る記念碑的な作品が誕生!!
数々の紙誌評で絶讃されたベストセラー『ものするひと』の作者が新たに描く「女と記憶と友達の話」。
◎「ほんとうは料理も掃除も洗濯も好きじゃない」専業主婦のマリ
◎「自分の身を守るなんてこの歳までしたことなかった」夫と離婚調停中のサヨ
◎「お嫁に行って子供を産まなきゃだめですか」キャリアウーマンのサトエ
1963年生まれの3人は高校時代の友達。同じクラスだったヒロミが、自らが所有する「白蓮荘」の部屋で孤独死したのをきっかけに久々に集まる。ヒロミが残した遺書にはなぜか、それほど親しくもなかった3人の名前が記されていて、庭に大きな白木蓮が植えられたアパートと謎の店子のその後についてのお願いが--
どうして3人だったのか。変わらない関係、変わりゆく状況の中で、それぞれ人生を見つめていく先に待ち受けているものは。「しんどい現実」を生きる3人の女性をあたたかな眼差しで描き出した野心作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
26
ある日、高校の同級生が亡くなり彼女が所有するアパートの相続人になったと告げられた3人。故人とは大して親しかったわけでもないのになぜ。。。コミックだけど、若い人より50代の主人公達の心境に共感できる中年向けかも。2024/02/23
にゃんた
23
主人公の高校の同級生たち…雅子様と同い年、それってドンピシャ自分と同じ年齢で、何もかもがなんかわかるという想いで読んだ。歳を重ね、それぞれにそれぞれの人生があり、そこで何かしら葛藤しながら生き、でもあの高校時代からは体以外何も変わってなく、成長した感じがしないそういう思い、リアルに実感している。あまり親しくなかった同級生の死をきっかけに知る彼女の居場所。なんか改めて自分の今をそして居場所を振り返ってみたくなった。2022/08/25
akihiko810/アカウント移行中
21
同級生の孤独死により集められた40代の仲良し3人組女性。顔すら怪しい同級生の遺言によりアパート経営をたくされるのだが…。7.5/10点 人生とはつまるところ最期は独りである、ということが描かれた作品。夢や希望のあった若いころに比べて、年経た今はそれらを失い、無味乾燥な「現実」しかない。 庭の白木蓮と同じように、人生の終わりはきれいに散るものではない。それでも人生にはいくつか愛しい瞬間があって、それを愛して人生は進むのだ…、ということが描かれている、ビターな、大人にしかわからない作品だ2023/04/25
kum
20
高校時代の同級生3人が、孤独死した同級生の遺言によって集められる。特別仲の良かった記憶はないのになぜ?という疑問は最後に明らかになるが、その真意はどこまでいっても本人にしかわからない。でもそんな謎解きよりも、高校時代をともに過ごした仲間がともに50代になり、それぞれに違う道を歩み、今もままならない人生を必死に生きている、そのことの感慨深さにしみじみとした気持ちになる。周りなどちゃんと見えていなかった高校時代、自分は覚えていなくても相手は覚えている、そんな同級生が自分にもいるだろうか。2025/04/13
Ecriture
12
還暦が近い3人の同窓女性たちが、同じく同窓生だった女性の孤独死と共に遺言でアパートの管理を託される。男性の無邪気な遊びといじめがフックとなっていた20世紀少年に対して、女性が直面する生きづらさと理不尽を据えた女性版の趣もある。「きれいに散らない」ことはきれいな瞬間がないことを意味しない。かろうじて笑顔の瞬間がまた訪れる予感だけがある。2023/08/15