内容説明
日本を震撼させた経済危機の真相を明らかに! 日銀窓口指導廃止の誤算、金融監督庁誕生の攻防戦、破綻長銀譲渡の経緯、金融再生スキームの制度設計――。金融メカニズムの理解なしには恐慌回避は不可能でした。初代金融再生委員長が危機対応と再生戦略の舞台裏を初めて語る日本経済秘録です。
『平成金融史』(中公新書)、『バブル経済事件の深層』(岩波新書)など経済ジャーナリストによる新書においても筆者はインタビューに応じておらず、金融再生委員会の制度設計、破綻した長銀を譲渡するに当たっての詳細なプロセス、不良債権の直接処理に踏み切った背景など、本書によってはじめて詳らかになった事実が満載の政治経済裏面史です。
目次
第1章 難航する大蔵行政
第2章 バブルの生成と崩壊
第3章 金融機関のリスクへの転化
第4章 大手金融機関の破綻と国会の対応
第5章 金融再生委員長として
第6章 金融担当大臣として
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
難航する大蔵行政:銀行法の全文改正 グリーンカードの挫折 国際金融センターの停滞 バブルの生成と崩壊:バブルの相貌 政策的要因 心理的要因ー経済大国に浮かれる 行政の対応とバブルの崩壊 金融機関のリスクへの転化:国会の関心喚び始める 金融破綻の先駆け 金融行政改革ー財金分離と大蔵省改革 金融ビッグバン 橋本行政の2つの問題点 大手金融機関の破綻と国会の対応:破綻の自己処理と破綻防止への公的関与の始まり 金融国会 金融再生委員長として:金融再生委員会の発足 破綻長銀の処理 早期健全化法 金融担当大臣として2021/04/19
kodanuki
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初代金融再生大臣の本ということで期待して読んだが、ヒリヒリするような臨場感は全くなく、大蔵省官僚から大臣になった管理志向の人の本という印象。リップルウッドへの長銀の売却の場面も条件面での開示はあるものの具体的な交渉プロセスはほぼ全くわからない。というか大臣は直接関与していない印象を受ける。当時の銀行売却がいかにボトムアップで行われていたのかと言うことはわかった。2021/09/12