感情の哲学入門講義

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感情の哲学入門講義

  • 著者名:源河亨【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 慶應義塾大学出版会(2021/04発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784766427196

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内容説明

感情と理性は対立する? 
ロボットは感情をもてる? 

「感情」にまつわる疑問に答える、まったくの哲学初心者にむけて書かれた入門書
私たちの生活の中心にある感情。
私たちは日々うれしくなったり悲しくなったりして過ごしています。
誰もがもつこの「感情」とはいったい何なのでしょうか?
本書は身近な「感情」をテーマにした哲学の入門書です。大学でおこなわれた全15回の講義をまとめたものなので、哲学を知らなくても、感情や人間がどういうものか、哲学がどういうものかわかる一冊となっています。

「本書は、感情や哲学に興味をもった人が最初に読む本を目指して書かれたものです。なので、この本を読むために、感情についても、哲学についても、予備知識は一切必要ありません。
 タイトルに「感情の哲学」と入っていますが、哲学だけでなく、心理学や脳神経科学、文化人類学、進化生物学など、さまざまな分野での感情研究も紹介します。つまり、できるだけ多くの観点から感情について考えてみたいと思います。そのため本書は、感情に興味をもつすべての人に向けて書かれています」
(「はじめに」より)

目次

はじめに

第1講 ガイダンス
 1 日常のなかの感情
 2 哲学は何をするのか
 3 「感情」という言葉について
 4 各講義の概要

第2講 感情の本質は何か
 1 本質の見つけ方
 2 本質の候補
 3 思考の重要性

第3講 感情と身体
 1 ジェームス=ランゲ説
 2 根拠となる思考実験
 3 身体説の検討

第4講 感情と思考
 1 志向性
 2 身体と思考の組み合わせ
 3 どんな思考が必要なのか
 4 「感情の本質」まとめ

第5講 感情と価値/基本的な感情
 1 価値の客観性
 2 正しい感情と誤った感情
 3 基本感情
 4 感情価

第6講 複雑な感情/感情と文化
 1 感情の混合
 2 高度な思考に基づく感情
 3 文化の影響

第7講 無意識の感情/ロボットの感情
 1 感覚と無意識
 2 感情の役割
 3 ロボットは感情をもてるか
 4 意識のハード・プロブレム

第8講 他人の感情を見る
 1 他我問題
 2 「見る」とはどういうことか
 3 表情は感情の表象か
 4 表情は感情の部分

第9講 感情と気分/感情と痛み
 1 感情と気分を分ける基準
 2 なぜ憂うつになるのか
 3 痛みの感情的側面

第10講 感情と理性は対立するか
 1 感情は合理的でないのか
 2 VMPFC損傷
 3 二重過程理論

第11講 道徳哲学と感情の科学
 1 道徳的判断
 2 トロリー問題の二つのシナリオ
 3 功利主義と義務論
 4 道徳と二重過程

第12講 恐怖を求める矛盾した感情
 1 負の感情のパラドックス
 2 消去説 本当は怖がっていない
 3 補償説 恐怖と喜びを同時に抱く
 4 フィクションが関わる場合

第13講 感情とフィクション
 1 フィクションのパラドックス
 2 錯覚説 フィクションを現実と間違える
 3 ごっこ説 怖がるフリをしている
 4 思考説 思い浮かべて怖くなる
 5 二つのパラドックスを合わせる

第14講 感情とユーモア
 1 愉快な感情
 2 笑いとコミュニケーション
 3 ユーモアとは何か
 4 不一致と、あと何か

第15講 全体のまとめ
 1 感情をコントロールする
 2 読書案内

 あとがき
 文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かずぼう

24
仮説ではあるが、「憂うつ」も進化の過程で備わった、一時的に「休め」のサインとか。 功利主義と義務論では、死刑執行を判断する法務大臣を思い描いた。功利主義~正しい道徳的判断は、結果としてもっとも幸福を増やす。(社会的責任を取らせ遺族被害者の無念を晴らす)義務論~人としてやるべき事とやってはいけないことがある。(いかなる時も自らの意思で人を殺すことの是非) 難しい。2021/07/08

ルル

20
大学の講義形式で「感情」について考えを深めていきます。感情に対する理解を深め最後のまとめで、感情をコントロールするには、について触れられています^^2021/05/19

テツ

19
感情をコントロールする方法的なものが持て囃される今日この頃(みんなギスギスしながら生きているからかな)そもそも「感情とは何なのか」「生きていく上で何の役に立つのか」といった事柄について哲学的な視点から講義形式で解説していく。主体的に自らの内側だけで発生し発露していると思いがちな感情の動きだけれど、実はそうではないということ。外部世界からの刺激や影響ありきでしか成り立つことはない。一歩離れた視点でそのメカニズムを知り解体しようとする試みこそが、真の意味で自らを感情的にならないように戒める道なのだと感じる。2022/05/26

ちくわ

19
感情について学べると同時に、「哲学のやり方」について実践的に学ぶことができる入門書です。感情の本質を抽出したうえで、身体的側面と思考的側面にわけて考えていき、様々な仮説について反例をもとに検討してく過程は、たいへん参考になりました。(☆4)2022/04/13

サンセット

11
感情には、泣くや震えるなど生得的に獲得するもの(身体的側面)と、言葉や文化の理解を経て経験的に獲得するもの(思考的側面)がある。どちらにせよ感情には、危険が迫ってるとか侮辱されたという(ある程度客観的な)価値判断が伴っていて、ポジティブにさせる物事にはより関わるように、ネガティブにさせる物事からは避けるように促す機能がある(進化の過程で身につけた)。感情に身体的側面と思考的側面があるとすると、それらを制御すれば感情も制御できると考えられる。全体的に、日常的な経験と科学の知見を通して納得しながら読めた。2021/04/13

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