内容説明
『平家物語』の作者は、鴨長明だった!
鴨長明の自伝と思しき古文書が見つかった。そこには彼の波乱に満ちた生涯と、『平家物語』が作者不詳に至った謎が詳細に綴られていた――映画「女囚さそり」シリーズ、「プライド 運命の瞬間」、「日本独立」監督による精緻で濃密な書き下ろし歴史小説。
短歌と、琵琶と、女人に生きた男の、我欲と失意と諦念。
京都日野にある某寺の、長年、開かずの扉と言われた土蔵から古文書、伝鴨長明作「方丈平家物語」が発見された。紐解いてみれば、どうやら鴨長明による自伝のようである。長明が、ツイていないが無常観だけでもない、日々の彩りの満ちた自らの人生と、平家一族の栄枯盛衰、源氏の台頭といった同時代を重ね合わせ、起こったこと、見たことをつぶさに記録している。まさに記録する男・鴨長明の面目躍如を果たしたこの書は、本物か、それとも偽書か。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
7
鴨長明の自伝らしき古文書が見つかったという前文。センセーショナルな出だしはいかにも映画監督の演出だ。作者不詳とされる「平家物語」だが、鴨長明を作者とするのは無理がある。平家の滅亡から源氏が台頭する経緯に重ねて自分の鬱々とした生涯を記す長明だが、頼朝が義経を滅ぼす悪だくみを語るにしてもそこに作家としての客観性はない。下鴨神社の禰宜の次男として生まれた長明だが、長男の死後も後を継げなかった。その怒りを和歌にぶつけたようで、歌人としては認められている。欲求不満をちとせという女性にぶつけるなど生臭い人生だ。2024/03/28
na*rico
0
鴨長明の人生と、方丈記・平家物語の成立の経緯が描かれている。 下鴨神社の息子として生まれながら、あまり恵まれなかった波乱万丈の人生を改めて知って、良かった。 存在として有名でありながら地味な印象で、学校で習う方丈記の冒頭くらいの知識しか無かったので、源平の時代をこんな風に生きていたんだと、興味深く読めた。 とてもドラマティックで面白い小説だと思う。2022/02/04
ひよこ
0
鴨長明の一代記という感じだった。2022/02/11
ぬる燗
0
祇園精舎の鐘の声で始まる超有名な古典史を代表する平家物語。琵琶法師が琵琶の根に合わせて語る物語、としか考えていなかったが、あるお寺の蔵から鴨長明が書き綴った書を発見する、という仮説であるが、視点を鴨長明に充てるとこの時代の歴史も随分と違ったものに見えてくる。秀逸な歴史shぽ小説。他の作品も読むことにします。2021/11/02
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