月白青船山

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月白青船山

  • 著者名:朽木祥
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 岩波書店(2021/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784001160222

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内容説明

夏休み,兵吾と主税の兄弟は,鎌倉に住む大叔父さんのお屋敷に預けられることに.地元の少女,静音と知り合って遊ぶようになるが,ある日,切り通しを滑っているうちに,”時間が止まった”不思議な谷に迷い込み…….謎解きに乗り出した三人は,やがて瑠璃の伝説と,大姫の悲恋物語に行き当たる.本格ファンタジー.

目次

プロローグ 一一八八年┴1 いざ鎌倉 現代┴2 お屋敷と怪しい光┴3 主税(ちから),「閑居」する┴4 犬を連れた少女┴5 引き出しと切り通し┴6 静音(しずね)┴7 夏に桜┴8 闇のアメーバと無音の夢┴9 老人,奇妙なお告げを語る┴10 「行方知れずの瑠璃」という宿題┴11 ミッション1 星の井┴12 割とありきたりな伝説┴13 ミッション2 常楽寺(じょうらくじ)┴14 銀目の猫┴15 蜩(ひぐらし)の鳴く朝┴16 不思議な庭で猫が笑う┴17 月か,雷か,白猫かという問題┴18 佳月(かづき)の物語┴19 何代目かという問題┴20 古井戸に落ちて帰りしものがたり┴21 夏子の物語┴22 系図と背番号┴23 手文庫のなかには┴24 謎解き開始┴25 雪の下のやぐら┴26 暗号解読!┴27 もう一つの罠(わな)と勝ち虫┴28 星月夜(ほしづきよ),再び┴29 終わらない物語┴エピローグ┴付録 大姫異聞(おおひめいぶん)┴注┴装画・さし絵 君野可代子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

109
鎌倉の歴史と伝説を絡めたひと夏のファンタジーの一冊。絶え間なく降り注ぐ蟬時雨。ほんの一瞬だけ訪れる静寂。その一瞬の静寂をとらえたものだけがいざなわれる不思議な世界が心にスッと入り込む。子供はこの不思議な世界と冒険譚に、大人は哀しみを含んだ歴史や心情をかみしめながら、謎解きを楽しむ…そんなふうに親子で楽しめる、良き作品。悲しみを心に閉じ込めた人物のふとした瞬間の言葉が所々心に響く。これを味わえるのは大人ならでは。大姫異聞も良かったな。何倍もの感情が溢れている最後の一文にキュッと胸がしめつけられた。2019/08/11

★Masako★

96
★★★★夏の余韻が残るこの時期に読めて良かった♪夏休み、鎌倉の大叔父の家で過ごす事になった兵吾と主税の兄弟。二人は地元の少女・静音と知り合い遊ぶうちに、時空を超え見知らぬ谷に迷い込む。時の止まった村、案内役の光り輝く白い猫…村を救う為に三人は“瑠璃”の行方を探すことに。後半の謎解きは、読み手も一緒に考え楽しんだ♪鎌倉の歴史と伝説、悲愛を上手く絡めた上質のファンタジー。花吹雪が舞う中の幻想的なエピローグが印象的。児童書ではあるが、大人も、大人だからこそ楽しめた作品。鎌倉は好きな場所。また行ってみたくなった♪2019/09/05

アン

90
鎌倉の歴史と伝説が織りなす不思議なひと夏の物語。大叔父のお屋敷で過ごす兄弟と地元の少女は、見知らぬ谷に滑り込んでしまい…。星月夜、行方知れずの瑠璃、時が止まったまま流れない村。親しみのある鎌倉が舞台となり、時代の面影を残す切り通し、蝉時雨、青船山の情景が目に浮かんでくるようです。村人の願いを叶えようとする子供達が生き生きと描かれ、先祖から受け継がれきた伝説の謎に、大人も心が動かされていくところが魅力。置き去りにされた悲しみから解き放たれる心。ラストの幻想的な場面は、風情ある古都に相応しい美しさです。 2019/09/02

☆よいこ

81
YA。児童書。本格ファンタジー。夏休み大叔父さんの屋敷で過ごすことになった兵吾(ひょうご)と主税(ちから)兄弟。ふたりは、鎌倉の山の中で出会った少女、静音(しずね)と愛犬ダンと一緒に遊んでいると、いきなり不思議な谷に迷い込んだ。「星月谷(せいげつだに)」では千年も時が止まり、残された村人たちが闇に飲まれる恐怖におびえていた。『ある日〝きょうだいと娘、異形のもの”が現れるであろう。そのものたちは瑠璃を見つけだすであろう』と言い伝えられており、主税たちに助けを求めてきた。三人は現代に戻り、失われた瑠璃を探す。2020/08/27

へくとぱすかる

78
切通しという、特徴ある鎌倉の道の、800年ほぼ変わらない景観。頼朝の時代の悲しいできごとが時の流れを淀ませて、夏休みに出会った兄弟と少女を、ルリの玉をめぐる謎の探索に向かわせる。ラピスラズリは地の美しい青色と、星の砂子を思わせる金色の細粒が見事な鉱石で、鎌倉時代にはおそろしく貴重な宝物だっただろう。ファンタジーとミステリと、さらに現代の家族模様までをからませてルリ色で染め上げた、ひと夏の物語。兄弟の大叔父と、静音の母・夏子は大人だけど、真正面から自分の思いもこめて共に行動している点がよかった。2019年。2021/10/07

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