岩波ジュニア新書<br> カガク力を強くする!

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岩波ジュニア新書
カガク力を強くする!

  • 著者名:元村有希子
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2021/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009015

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内容説明

科学・技術の進歩が暮らしの隅々にまで入り込み,その恩恵を当然のこととして享受する私達.しかし一方で,原発やゲノム編集など危うさもクローズアップされている今,科学記者とし活躍する著者は,「カガク力」=「疑い,調べ,考え,判断する力」を身に付けること.それが賢く生きる術となり,よりよい未来をつくる土台になっていくと説く.

目次

はじめに┴◆1章 科学に囲まれた暮らし┴AIと共存する社会┴シンギュラリティは来るのか┴AIに仕事を奪われる?┴第四次産業革命が起きている┴遺伝子が人生を変える┴共感と異論と┴HPVワクチン問題に学ぶこと┴科学・技術の光と影┴「文明社会の野蛮人」┴ブラックボックス化する科学・技術┴◆2章 疑え! 疑え! 記者という仕事┴内気な少女が作文に出会った┴愛読書は『暮しの手帖』┴好きだった理科が嫌いになった┴聞く・理解する・共感する┴理科嫌いの科学記者┴鵜呑みにせず「裏を取る」大切さ┴因果関係には慎重に┴「疑似科学」はなぜ科学ではないのか┴科学が科学である理由┴誰がやっても「再現」できるか┴仮説→実験→検証のくり返し┴疑似科学の心配な使われ方┴◆3章 社会とつなぐ 科学コミュニケーションの可能性┴科学者に会ったことがありますか?┴「?」だらけのニュートリノ┴すごいのに社会の裏方┴「何になるか」より「何をするか」┴専門家と社会をつなぎたい┴気取らない交流の場「サイエンスカフェ」┴科学祭が盛んなイギリス┴「科学は文化」を実感した英国留学┴街じゅうが博物館┴ガラクタの山から科学が生まれた┴イギリス人は疑い深い┴原発事故と東日本大震災┴原発事故報道の限界┴科学の「不確かさ」をどう伝えるか┴原発をどうするか┴トランス・サイエンス┴◆4章 いのちを支える科学┴再生医療が寿命を伸ばす┴人生の「始まり」にある科学┴不妊治療大国ニッポン┴普及する生殖補助医療┴技術の拡大 どこまで許されるか┴「本当の父親」を捜す┴自分のルーツを知りたい┴科学と法律が犯した過ち┴デザイナー・ベビーは許されるか┴科学・技術が人命を奪う┴行動する科学者たち┴◆5章 これから生きていくあなたに┴二〇世紀の予言┴二二世紀はどんな世界に?┴何が科学をゆがめるのか┴自然と科学の共存 ボルネオで考えた┴熱帯雨林を壊して富が生まれる┴「持続可能な開発」への挑戦┴無関心は最大の敵┴分けるの反対!┴◆6章 カガク力が身につく五つのコツ┴その一 出会ってみる┴その二 おもしろがる┴その三 分からないことは分からない┴その四 それでも考え,行動する┴その五 「絶対,はない」と知り等身大で向き合う┴付録 科学と上手につきあうためのおすすめ本┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

63
文系と理系に分けてしまう日本の教育制度が、科学を敬遠する風潮を生んでいるのだろう。専門的なことはわからなくても、科学とどうつきあっていくかということは、今や無視できないのではないか。著者も引用するように、「無関心は最大の敵」(ハンナ・アーレント)である。文系と理系が対立せず、お互いの分野へのリテラシーを持つことが大切だと思う。権威や空気に、そのまま従っていると、引き返せないところへ来てしまう。何よりもそれが恐ろしい。無条件に信じるよりも、まず疑いをもってみる。これは失礼というレベルの問題とはちがうのだ。2020/11/30

だのん

10
文中にあるように、科学や技術の進歩には必ず良い面と悪い面があるということを忘れてはいけない。長い時間をかけて研究や検証をして答えが見つかっても、また予想外のことが起きることもあるという。作者の言うとおり、何かを決断するときは多方面から情報を集めて、自分でしっかり考えていきたい。2022/05/20

かお

9
科学記者である著者が、科学を敬遠しないで!身近にある科学技術を分からないままで、放置してはいけないと訴えています。生活を便利にするし、それを生み出す科学者達ってすごいと前半は、ワクワクする面が書かれています。が、3·11の震災で原発事故が起こり著者は、自分が科学の応援団として発信してきたことは正しかったのか?と疑問に思い始めます。 ここから、科学を使う人間が未熟で、プラスとマイナス面をしっかり考えながら使わなきゃいけないと気付きがあります。 現状を疑って、考えて受け止める。大切な事を感じた本でした。2021/03/16

みーさん

6
AIにはじまってHPVワクチン、原発事故、似非科学、スタンプ細胞、不妊治療など、「カガクの光と影」。”文明社会の野蛮人”に考えさせられた。 元村有希子さん見たことあると思ったら「科学のミカタ」の見方の著者だった。巻末に科学と上手につきあうためのおすすめ本が付録として載せてある。2021/07/23

あんさん

4
知らないこと、分からないことは、ちっとも恥ずかしいことではない。自分の中の好奇心を制限しないことなのだ。(まあ、不用意に口に出すと馬鹿にされますが) 2020/12/10

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