内容説明
「どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間.そういう人間だけが政治への『天職』を持つ」.マックス・ヴェーバー(1864-1920)がドイツ敗戦直後,自らが没する前年に行った講演の記録.政治という営みの本質,政治家がそなえるべき資質や倫理について情熱を傾けて語る.(解説=佐々木毅)
目次
職業としての政治┴訳 注┴訳者あとがき┴解説 「それにもかかわらず」の精神(佐々木毅)┴略年譜┴索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
70
昨日のLesson7の紛争地の看護師の件で、天職の話となり、この本を生徒に急遽、紹介した。まだ感想がなかったため、F文庫より拝借。講演録のようだ。政治とは、政治団体、国家の指導、それに影響を与える行為(8頁)。政治とは、権力の分け前にあずかり、権力の配分関係に影響を及ぼそうとする努力(10頁)。自由とは、正当な君主権力、権威の唯一の源泉としての君主権力の支配を受けない(23頁)。現代ではどうだろうか? 2025/01/12
molysk
57
政治とは権力の追求であり、その背後には暴力が控えているが故に、政治家には特別な倫理が求められる。正しい行為を行い、結果は神にゆだねるのではなく、自らの行為の予見できる範囲での結果に責任を負わねばならない。政治家には、燃えるような情熱と併せて、責任ある行為のために冷静な判断力が求められるのである。自らが成し遂げようとすることが、たとえ結果が伴わずとも、現実から隔たっていたとしても、断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間だけが、政治への「天職」を持つ。2021/06/04
ホシ
22
教育組織論の講義でマックス・ヴェーバーがよく取り上げられるので読みました。ヴェーバーといえば『プロ倫』ですが、本書は薄くて「少しは分かるかな」と思ったものの、やはり撃沈。難解でした。官僚制を説いたヴェーバー。おそらく官僚制には「魔物」が棲んでいて、政治に携わる者は「魔物」と対峙することを覚悟せよ、という内容だと思います。物事を効率的に進めることができる”官僚制”。しかし、そこには「規則だから」「慣例だから」「当たり前だから」という、人を思考の停止へと導く陥穽が常にあることを忘れてはなりません。2020/10/30
寝落ち6段
16
政治家こそ倫理観が問われるべきだ。我々が権利を保障され安寧として生活するためには、政治が正しく、国民の為になければならない。高潔に、とは言わないが、政治家は国民の為に邁進しなければならない。国民の逆境を引っ繰り返す気概を持った政治家が理想なのだが、それを選ぶのは国民だ。この候補者は本当に国民の為に頑張れる人なのか、それを看破する目を国民が鍛えなければならない。ヴェーバーの時代は、第一次大戦の只中。状況は違えど、政治と生活は切り離せないものである以上、政治家だけではなく、国民の政治参加は重要だと考えたい。2025/12/13
乙郎さん
9
難しかった…といってはいけない気がする。多くの政治家が影響を受けた著作として名を挙げているように、政治のあり方、政治自体が内包する権力の危うさ、それでもやっていこうという問いかけなど、この政情不安の時代ちゃんと受け止めないととは考えてしまうので。2024/01/21
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