内容説明
凋落久しいコンスル大帝国の領地ローランディアで暮らしていた魔道師リクエンシスの平穏を破ったのは、隣国イスリル軍の襲来だった。イスリル軍の先発隊といえば、黒衣の魔道師軍団。下手に逆らわぬほうがいいと、リクエンシスは相棒のリコらと共に、慣れ親しんだ湖館を捨てて逃げだした。ほとぼりが冷めるまで、どこかに身を寄せていればいい。だが悪意に満ちたイスリル軍の魔道師が、館の裏手に眠る邪悪な魂を呼び覚ましてしまう……。招福の魔道師リクエンシスが自らの内なる闇と対決する、〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ初の三部作開幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chikara Tonaki
16
エンスとリコにまた会えた。中盤から出てくるエズキウムのエイリャって、夜の写本師に出てくるエイリャじゃないですか!3部作と言うより一つの話の第1巻なんですね。続刊が待ち遠しいです。2021/04/12
Ribes triste
13
ローランディアに暮らす紐結びの魔術師エンスと祐筆リコ、剣闘士マーケンスは、隣国イスリルの侵攻により住み慣れた我が家を離れることになる。旅の途中の出会いから冒険の旅が始まる。次々と合流する個性的な仲間たちとのやり取りが微笑ましい。いざ次巻へ。2022/01/26
まゆっち
11
久しぶりのゴリゴリのハイファンタジー。設定を飲み込むのに時間が必要だったが、読み進めるうちにのめり込む。エンスとトゥーラはいい感じ?みんないいキャラしてる。2021/11/03
Masa
10
読了。毎回思うけど、創り込まれた世界なのに、すっと入って行けるんだよなぁ、と。紐結びの魔術自体はすごく地味だと思っています。でもこんなに魅力的なのもやっぱり不思議。いろんな不思議で溢れているファンタジー。一応シリーズ長く読んでいるので、知っている用語出てきたらニヤリとしてしまう楽しみも。もう面白くてしょうがない。2021/05/17
anxiety
7
この著者は、著者の中で練りに練った世界をさぁどうぞ、とほとんど説明なしに示してくるやり方なので、読みつけない読者には敷居はめっちゃ高いけど、この読者に迎合しない世界観が心地よく、ハードSFとかを読み慣れた身には案外読みやすい。ただうっかりすると場面転換を読み飛ばすくらい淡々とした運びなのはまいった。2024/01/16