内容説明
戦国屈指の脇役武将が見た理想と野望――織田信長の能力と残忍性をいち早く見抜き、桶狭間で戦功を上げながらも、臣下として仕えることを拒み続けた蜂須賀小六。やがて、足軽組頭に過ぎぬ秀吉を主人と定め、調略・外交一切を引き受け、ことごとく成功させ、秀吉躍進の最大の功労者となる。嘘偽りなき、まっすぐな生き様を全うした、史上稀なる武将を描く、感動の歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コニタン
4
蜂須賀小六の生涯を書いた本、小六は調略と外交を行い秀吉のために一生を捧げた。親友の小右衛門は、最後可哀想な結果だった。2017/11/19
Hironobu
2
蜂須賀小六の物語。文庫本2冊分程の厚みがある。ただの足軽組頭だった秀吉を天下人に導いた武将を描いた長編作。2016/03/06
デントシロー
1
信長公記、武功夜話をもとに書かれているので史実には忠実であるが小説としてはマンネリを伴う。主人公の感情の起伏がなく、人間臭さが表現されないのは仕方がないか?織田信長、豊臣秀吉の軍紀ものをを読むと必ず登場する蜂須賀小六を主人公にしたものなので大いに興味を持って読んだがこれといった新しい蜂須賀小六の一面は読み取れなかった。津本陽の「夢のまた夢」を読んでる錯覚に落ちた。2013/06/17
bondo
0
ナイス不要。歴史の復習ですね。暇な方はどうぞ(☆)2017/03/30
ハナちゃんと一緒2
0
佐藤雅美は初めてなので、この作品の位置はよくわからないが、この本では特に織田信長が小大名だった時期の尾張・美濃の土豪たちが描かれていて興味深かった.読んでいると、安土桃山時代を秀吉家臣として生きた蜂須賀小六と前野小右衛門の目を通して苛烈な戦国の時代が現れてくる.墨俣築城や、城攻めの実際、土木工事や兵站など武将と一寸違った観点から戦を見ると別のリアリティーが生じる.必死に仕えて、死んだり左遷されたり一喜一憂する武将たちは、今の会社人間の生き様にも重なって来てしまい、結末と合わせて読後溜め息が出るのだった.2013/12/04