光文社古典新訳文庫<br> 賢者ナータン

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光文社古典新訳文庫
賢者ナータン

  • 著者名:レッシング/丘沢静也【訳】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 光文社(2021/03発売)
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  • ISBN:9784334754341

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内容説明

十字軍の停戦協定が成立したエルサレム。キリスト教徒のテンプル騎士に養女を助けられたユダヤの商人ナータンが、イスラムの最高権力者から「3つの宗教のうち本物はどれか」と問われる。18世紀、カントとならんで、啓蒙の世紀をリードした思想家レッシングの代表作であり、「寛容と人間愛」を説いた思想劇。付録に〈指輪の寓話〉(『デカメロン』)、〈寓話〉(レッシング)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

71
「賢者ナータン」の真のテーマ−「人間であることで十分だ。」−は、この戯曲のいたるところに満ちている、とH.アレントは、レッシング賞受賞講演で指摘している。確かに賢者ナータンの語る言葉には、12世紀第3回十字軍の時代のエルサレムが舞台とは思えないような伸びやかさを感じる。レッシングの生きた18世紀もまた宗教的軛が強かったよう。聖書批判に絡む論争の果て彼は宗教関係の出版を禁止されている。無理強い的現代風の訳にも、すぐに上気せる騎士にも違和感あって、劇にも最後まで入り込めなかったけれど、どこか清々しさは残った。2022/09/01

ころこ

31
『ラオコオン』のレッシングがこの様な戯曲を書いていたそうで、全く知りませんでした。18世紀に他の宗教に対する互恵的な寛容さを表現した先進的な思想に驚きます。あからさまに啓蒙的な底の浅さが気になりますが、それは現在の視点であって、あまり込み入ってしまうとかえって禁忌に触れる恐れに配慮したのかも知れません。現在もこの戯曲が残っているというのが客観性の高い評価だといえます。2020/11/28

かふ

26
中世のエルサレムでユダヤ教、キリスト教、イスラム教が交わる寓話。戯曲で啓蒙を問いたレッシングの代表作。レッシングは名前も知らなかったが、「100分 de 名著 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』」で出てきて興味を持った。カントに影響を及ぼした啓蒙思想家。ユダヤ人の娘を火中から救い出したテンプル騎士の男。最初から名前が明らかにされないで役名で呼ばれているのは注意が必要。2021/04/13

K

20
ドイツではかなり定評のあるレッシング、日本ではあまり知られてない気がする。自分も読むまでは知らなかったが、それなりにおもしろい戯曲だった。内容については説明しきれないが、1つのシーンを取り上げたい。ナータンが最高権力者スルタンに呼び出され、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教どれが真の宗教か。という問いに答えるという場面がある。どれか1つを選ぶことはスルタンの思う壺となるので、「3つの指輪の寓話」を持ち出し、その問をうまく切り抜ける。その軽快さ、巧みさは非常になるほどと思わされた。気になる人は読んでほしい。2021/04/19

泉のエクセリオン

18
18世紀ドイツの啓蒙思想家レッシングの戯曲。イスラム、ユダヤ、キリスト教の内どの宗教が最も神に愛されているかということが「三つの指輪の寓話」を通じて語られる。恐らく、レッシングの答えとしては、どの宗教も神の真理の途上にあり、神に愛されるために各々の宗教が真理探究に努めよ、ということか。宗教が(聖書が、文字が)真理なのではなく、真理を探究する己の行動が大事である。つまり宗教を自分の頭で考え、自分の言葉で語ることが真理を追究し続けることだと思った。真理は分からないから、考え続ける、問い続けるということだろうか2021/10/31

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