内容説明
さわらずに物を動かせる!……ただし10cmだけ。相手を金縛りにできる!……でも力を使うほどハゲる。目を見ると心が読める!……でも他人の目が怖くて見られない etc…。こんな役に立たない能力(ちから)、なくてもよくない?? ある日突然、不思議な力に目覚めてしまった五人。悪戦苦闘しながら能力と向き合ううちに、さえない毎日が、思いもよらない方向に転がりだし――。小説すばる新人賞作家が贈る、驚き満載、爽快感120%の傑作長編小説!
目次
1 テレキネシスの使い方
2 パラライザー金田
3 パイロキネシスはピッツァを焼けるか
4 ドキドキ・サイコメトリー
5 目は口ほどにものを言う
6 僕らだって扉くらい開けられる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
82
気軽に読めてなかなか面白かった。定食屋「三葉食堂」。そこに来る客の中には超能力らしきものをもつ者がいる。念動力、金縛り、発火能力、精神測定能力、読心術。と言ってもこんな力など無ければいいのにと当人が嘆くほどショボくてポンコツ。しかし、そんな役立たずの力が思いもよらず誰かの役に立つ事だってあるのだ。そしてその力が集結した時もっと大きな事を可能にする。発火能力なんかあると大変だけど、テレパシーは私にもあればいいのになぁ…2023/08/15
NADIA
53
手で持てる重さのものを右に10センチだけ動かすことができる能力、1日に一度だけ抜け毛と引き換えに相手を金縛りにあわすことができる能力、興奮すると発火させてしまう能力…。微妙な超能力を持つ人たちの目線で語られる連作短編集。「超能力者って憧れるよね~、でもそんな能力ならばいらないね」と言いきれてしまうような微妙な能力者たちはなぜこんな能力を持つことになったのか。最終話でのオチが心地よい。映像向きな作品だと思う。2023/10/28
えみ
52
もしも超能力があったとしたならば、何をしようか。どう生きようか。今は平凡なごくありふれた一般人、だけど超能力さえあれば誰からも注目される特別な人間になれる!…なんて思っていたら大間違い。最弱超能力者たちが己さえも能力の使い道に困るような、大きく期待を裏切る超能力を見せてくれる。超能力、いる?だけど小さいことでもそれが重大な意味を成すことも、ある。人生はだから面白い。今がつまらない人に押し付けて読ませたい最弱だけど最強、笑って勇気がもらえる気分爽快、最高超能力小説。役立たずから大逆転した5人が事件に挑む。2021/01/29
momi
50
不思議な力を持った人は結構どこにでもいると言う設定!ここに登場する5人の超能力者たち…その能力は…触らずに物を動かせるのはたったの…10センチとか…相手を金縛りすると自分の頭の毛が…抜けるとか…潔癖症で…触れないサイコメトリーとか…ぷっとふきだしてしまうような…みんな中途半端な能力!だけど…青春…友情…素敵だねッ!! タイトルの僕らとは…そう言う意味だったのか!皆んなで力をあわせてぇ〜最強の超能力者に!!楽しくてあったかくて面白かったです! 2021/03/02
PEN-F
42
どんな長所にだって欠点はあるし、どんな短所にも良い部分は存在する。全ては捉え方 使い方次第。「わんぱくだって良い!たくましく育って欲しい」みたいな感じ。😊完全無欠の人だって、欠点が無いということが人として致命的な欠点にだってなり得てしまうかも。みたいに考えちゃうとせっかくの完全無欠も台無しだし🤔長所の方は比較的扱いやすいものだけど、短所をいかにして有効活用できるかどうかが社会の荒波を超えていく上でひとつの鍵になるのかな。2021/09/05