内容説明
アフターコロナで、地方移住が盛り上がる中、地方人気に脚光が当たっています。しかし、ほんとうに地方からの流出は止まったのか。それはまさに「幻想」だと、著者の木下さんは断言します。地方・まちづくりをめぐるニュースの数々は、本質をとらえない、思い込みが蔓延しています。
なぜ、地方が衰退するのか。地域再生は挫折するのか。
本書は、地方の最前線で長年地域おこしを見続けてきた著者による、幻想を打ち破り、ほんとうに地域が立ち直るための「本音の」まちづくり論です。地元の悪しき習慣から、行政との間違った関係性、「地域のために!」という情熱を注ぐ事業のブラック化など、豊富な事例をもとに明かします。読んだあとに、行動を促す1冊をめざします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこうき雲
73
著書の今までの主張と大きく変わりはない。一つだけ言いたいことー社会は常に複雑な要素が絡みあってできており、社会を変えるとは、止められない自動車を走りながら修理するようなものという前提に立つ必要がある。地域を変えるために動くことが大事だと分かっていても、動けないのも理由があるし、それを吊るし上げるのもどうか。2021/06/12
けんとまん1007
66
地域再生、地域活性化などの言葉には、以前から胡散臭さや、軽薄さを感じている。人が増えないと・・とか、予算がないと・・とか。自分が住む地域への関わりが、これまで以上に深くなってきた2年間の中で考えていることを整理することにつながる。悪い意味での前例踏襲、内向き志向。基本は人ということに尽きるし、それを実感。一人の覚悟が重要とのフレーズに納得。いかにして関わる人を増やすのか。ただ、これは数年前からの流行である関係人口とは違う。そこに暮らす人の中でという視点。2024/01/13
レモン
46
つまるところは人の問題である。いかなる課題も失敗する理由も人的ミスによるものだが、成功に導くのも「人」である、と実感。行政だけでなく、会社などあらゆる組織にも置き換えられる。結局「人」を大事にしない事業や組織はダメになるよなぁ。一市民レベルでもできること…地元企業・店舗を応援することか。よし、転職しよう。2022/06/29
おせきはん
36
地域再生が失敗する原因が著者の経験、見聞に基づき具体的に解説されており、納得感がありました。他地域の成功事例や過去の栄光などの「幻想」を捨て、自分のこと、周囲の目よりも「地域の未来」を考えて、他人任せにせず、できることから行動するのが大切だと思いました。2021/11/02
ちくわ
27
自分は『成功はアート、失敗はサイエンス(田中修治)』という言葉が好きなので、様々な失敗談を読んだり研究したりするのが趣味である。また、将来生まれ故郷に帰った時に地元の再創生をお手伝い出来たら良いな!という想いがあるので、それを実現するための事前勉強の一環として本書(=数々の失敗談)を読み始めた。数多くの事例があり、また上手くいかない本質的な部分に切り込んでいる内容であるため、自分としては非常に良い本だと感じた。名著『失敗の本質』が好きな方は、興味深く読めるのでは?2023/11/08
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