内容説明
殺された女性なんていない、向かいの家では何も事件は起きていない――警察はそう告げた。病を抱え、酒と薬におぼれるアナの目撃証言を真に受ける人はいない。では、あのときたしかに見た血まみれの女性はなんだったのか? 孤立し、恐怖と疑心にさいなまれながらも、アナはわずかな違和感を頼りに自分なりに真相を追いはじめるが。スティーヴン・キングが一気読み必至と絶賛した超一級のサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
58
語り手が広場恐怖症になったわけが明かされ、さらなる事件が起きる。本当に怖いのは、彼女のようにどこか精神的なダメージを受けていることがその言動からわかる人間ではない。(彼女が普通ではないことは、すでにご近所に知れているようだ) 普通の顔をして普通に暮らしながら普通ではない人こそが、誰よりも恐ろしい。 2022/05/30
Masa
4
読了。まぁこんなものか、という感じでしたが、続きが気になり上下巻一気読みでした。2023/05/21
_bookuma
4
2021年11冊目。上巻は手間取ったけど、下巻はスピード感もあってするする読めた。アナが見た光景は本当に正しかったのか、彼女が広場恐怖症になってしまったのは何故なのか、家族となぜ別居しているのか等々、分からないことが盛りだくさんだったけど、その中の一つがクリアになった瞬間から芋づる式に謎が解けてって気持ちよかった。途中から怪しいと感じていた人物が全ての鍵を握っていて、なかなかこういう勘が当たることないのでめちゃくちゃ嬉しかった。もうすぐNetflixで映画公開予定なのでそちらも楽しみ!2021/04/10
アオノ
3
上巻はあまり話が進まず物足りなさもあったけど、この下巻はまくります!後半伸びる末脚タイプ。アルコール依存の精神分析医アナの目撃した隣家の事件は現実なのか。途中で明かされる事実により、主人公と同様に、何を信じたらよいのか判らず不安に陥ります。お酒怖い。私もちょっと控えよう、明日から…終盤は映像化を意識したアクションになっちゃいますが、総じてテンポよく読めました。なにより、文字が大きいのが読み易くて良かった。創元社にも見習って欲しいよ…2021/08/15
chocoうさぎ
2
上巻は話の進行がゆったり。下巻は怒涛の展開。広場恐怖症でアルコール依存症で鬱のヒロインが殺人を目撃するが誰にも信じてもらえず。むしろ自分がおかしいのかと疑う事も。映画マニアのヒロインだけあって、展開するストーリーも映像的で、映画だとこんな感じかと想像しながら読んだ。別居の真相、殺人事件の裏側、この人物がここで絡んでいたのかと、中々読ませる。犯人の自供は冗長でもう一工夫欲しいが、その後のアクションシーンはドキドキ。著者のデビュー作だそうだが、既に映画化されているらしい。機会があったらそちらも見てみたい。2024/09/08