内容説明
あの夏の日、俺は黒猫と恋人同士になった。合宿から帰還し、世話になった友人たちに交際の報告をする俺たち。
そんなある日、黒猫から夏休みの過ごし方について提案を受ける。
彼女が“運命の記述”と呼ぶそれを面白く感じた俺は、自分にも書かせてくれと申し出る。そこに沙織まで乗ってきて――“運命の記述”は周囲を巻き込み、その姿を、運命と共に変えていく。
誰にも止められなかった世界で降臨する真なる聖天使神猫。黒猫の妹たちとの出会い。五更瑠璃の両親との出会い。
桐乃の帰還と決意。
かつてとは違う逢瀬。かつてとは違う贈り物。かつてとは違う未来の形。
そして再び、運命の夜が訪れる。
完全書き下ろし黒猫ifルート、完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
52
あの夏の日、恋人同士になった二人。合宿から帰還し、世話になった友人に交際の報告をした京介が、黒猫から夏休みの過ごし方について提案を受ける下巻。二人で書くことになった「運命の記述」が変えてゆく運命。猫の妹たちとの出会い、五更瑠璃の両親との出会い、そして桐乃の帰還と決意。いやさすがに初デートで聖天使神猫はどうなの?と桐乃ならずとも突っ込みたくなりますけど、やっぱりどのルートいっても桐乃の存在がポイントになってきますね…黒猫たちが幸せそうだから、どうも幸せになりきれていない気がするのは仕方ないんですかね(苦笑)2021/05/14
星野流人
43
俺妹本編とは違った道を進む、黒猫ルートの完結編。全編を通して黒猫が可愛い、の一言で話が片付きます。黒猫の家庭的なところや、中二病なところ、友達思いなところ、そして重たくて不器用なところ、全てが愛おしく感じられます。黒猫ルートは本編では選ばれることのなかったルートであり、桐乃にとってもしんどいルートではあります。けれど「もしも」で描かれる遠い未来の話は、皆が幸せそうで、とても眩しく感じられました。エピローグの京介と瑠璃の子供たちの物語を含めて、「これもひとつの俺妹!」と思える、良い作品だったと思いました。2021/03/17
まるぼろ
31
今巻は京介と黒猫が付き合い始めてそれから…というお話。本編とよく似た展開をなぞりつつも京介と瑠璃にとってより幸せなエンディングとなっていて読めてよかったと思いました。桐乃にとっても留学先で一人で悩んだり考えたりしてしっかり自分で答えを見つけた辺り自然と兄離れできてた感じがしてそこも良かったかと。そんな桐乃の存在がいい意味で後の展開に活きてくるのもとても良かったと思いました。そしてエピローグでの「きょうちゃん」のくだりはここまで俺妹を読んできてとても感慨深いものがあったな、と。次の加奈子ifも楽しみです。2021/03/11
わたー
29
★★★★★付き合いだした2人の甘酸っぱい関係を描く後編。本編でも黒猫と付き合っていた時期があったため、どのように差異をみせてくれるのか楽しみにしていたが、なるほどそう来るかと膝を打った。本編よりも桐乃に対して数ミリドライな対応をしていたことや、自分から黒猫に告白をしていたことなど、ほんのちょっぴりの違いが物語に深く影響する。それは本編の終わり方に納得してようがいまいが関係なく救われたような気分になった。最終章で黒猫との幸せな家庭や仲間との未来を描いているのには参った。完璧すぎて言葉もなく、ただ静かに涙が。2021/03/10
げんごろう
25
恋人同士になった京介と黒猫。 可愛らしさと面倒臭さを兼ね揃えた彼女の魅力がぎっしりと詰め込まれていて大満足。 また今巻では桐乃、沙織の活躍も見られ、これぞ俺妹という空気感も堪能することができました。次の加奈子ifも楽しみです!2021/03/17