講談社選書メチエ<br> 日本近現代建築の歴史 明治維新から現代まで

個数:1
紙書籍版価格
¥2,475
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社選書メチエ
日本近現代建築の歴史 明治維新から現代まで

  • 著者名:日埜直彦【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 講談社(2021/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065228678

ファイル: /

内容説明

本書は、明治維新から現在に至る日本の建築史を一筆書きで描き出す試みである。日本の建築史については、これまで幾多の著作が書かれてきたが、1970年までで終わるものがほとんどで、その後の時代を包含するものはない。バブル経済に沸き立った1980年代を経て、長い不景気の時代を迎えた日本は大きな変化を受けている。ならば、21世紀の今、本当に必要なのは、この150年の歴史を通覧することにほかならない。
本書は全二部で構成される。第一部では、従来の建築史が扱ってきた明治維新から1970年代までの時期を取り上げる。そこでは、「国家のための建築」という特殊な役割を負わされる中で、明治期に導入された西洋の建築様式との格闘を続けながら、大正期、戦時期、そして戦後の復興から高度経済成長期までの激動の歴史が描き出される。続く第二部は、その「国家のための建築」という役割から解放された建築が、いかに拡散し、現在見られるような複雑な様相を呈するに至ったのかを見る。
自宅にいても、街に出ても、常に私たちは建築に囲まれている。にもかかわらず、建築について、その歴史について、手軽に基本的な知識を得られる書籍がない、というのは不思議なことである。本書は、そんな状況に終止符を打つべく、専門的な知識を必要とせず、ただ歴史的な建築物を羅列するのではなく、それぞれの時代に何が求められ、何が考えられたのか、その背景には何があったのかを明快に描くことを主眼としている。
本書を読めば、日本の建築について知悉できるばかりか、建築とは何か、そして建築物とともに生きるとはどういうことなのか、という重要な問題について明確なイメージをもつことができるだろう。
建築家として活躍するだけでなく、建築批評でも定評ある地位を確立してきた著者が手がけた壮大なドラマ、ついに完成。

[本書の内容]
第一部 国家的段階
第一章 明治維新と体系的な西洋式建築の導入/第二章 非体系的な西洋式建築導入/第三章 国家と建築家/第四章 明治期における西洋式建築受容の到達点/第五章 直訳的受容から日本固有の建築へ/第六章 近代化の進行と下からの近代化の立ち上がり/第七章 近代建築の受容と建築家の指向の分岐/第八章 総動員体制とテクノクラシー/第九章 戦災復興と近代建築の隆盛/第一〇章 建築生産の産業化と建築家のマイノリティ化/第一一章 国家的段階の終わり

第二部 ポスト国家的段階
第一章 ポスト国家的段階の初期設定/第二章 発散的な多様化と分断の露呈/第三章 新世代の建築家のリアリティと磯崎新/第四章 定着した分断とそれをまたぐもの/第五章 バブルの時代/第六章 一九九◯年代以降の展開と日本人建築家の国際的な活躍/第七章 ポスト国家的段階の中間決算

目次

前書き
序 章
1 建築の保守性とその例外としての日本近代
2 世界的な近代建築の普及と日本の特殊性
3 通史の不在と現在の見え難さ
4 三つの着眼
第一部 国家的段階
第一章 明治維新と体系的な西洋式建築の導入
第二章 非体系的な西洋式建築導入
第三章 国家と建築家
第四章 明治期における西洋式建築受容の到達点
第五章 直訳的受容から日本固有の建築へ
第六章 近代化の進行と下からの近代化の立ち上がり
第七章 近代建築の受容と建築家の指向の分岐
第八章 総動員体制とテクノクラシー
第九章 戦災復興と近代建築の隆盛
第一〇章 建築生産の産業化と建築家のマイノリティ化
第一一章 国家的段階の終わり
第二部 ポスト国家的段階
第一章 ポスト国家的段階の初期設定
第二章 発散的な多様化と分断の露呈
第三章 新世代の建築家のリアリティと磯崎新
第四章 定着した分断とそれをまたぐもの
第五章 バブルの時代
第六章 一九九◯年代以降の展開と日本人建築家の国際的な活躍
第七章 ポスト国家的段階の中間決算

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

6
21年3月刊。明治維新から現代までおよそ150年にわたる日本の建築史を、国家的段階の100年とポスト国家的段階の50年という見取り図から描いた一冊。メチエとしては異例のページ数で、極めて多くの情報量を明快な図式のもとに整理した力作です。索引が欲しい感じ。しかし最終章でも語られるような建築界の分断と混迷状況、この先どこへ向かうのやら。2021/08/11

owlsoul

2
明治維新によって近代化を急いだ日本は、国ぐるみで西洋式建築の導入を図った。当時の建築家は国家に仕える技師として、日本国の近代化という使命を負っていた。しかし、模倣された建築様式は形式だけで思想がない。そのことに気づいた建築家たちは、やがて自らが目指すべき「日本の様式」について考え始める。大戦後の復興という莫大な建築需要は業界の産業化を後押しし、国家は建築に対してのインセンティブを失った。資本の論理で動く組織の建築家がマジョリティとなった現在、一部の建築家は独自の思想を貫いて世界的な活躍を遂げている。2021/09/20

kmori299

1
凄い情報量でとても面白かった。建築史って思想の発露としての建築のことばかり書いてあることが多いように思うけど、産業としての建築史や特筆すべきことが無い大多数の建築の歴史が合わせて記述されているのがとても良い。私はこの、建築に関する思想みたいなのがほとんど理解できなかったクチなのだけど、歴史の流れの中で書かれるとどういうことを考えたのか、少しわかるような気にもなった。2022/04/26

引用

1
一般書なので概ねよくわかるし戦中戦後の政治的イデオロギーからみたモダニズム解釈などは大変勉強になった。しかし2部に入ってからは磯崎新に寄りすぎており、たしかにラコルーニャは名作だがなにも結論めいた位置付けにしておくべきという実感はないし、隈研吾の扱いが不当に小さい印象もある2022/02/03

Go Extreme

1
国家的段階:明治維新と体系的な西洋式建築の導入 非体系的な西洋式建築導入 国家と建築家 明治期における西洋式建築受容の到達点 直訳的受容から日本固有の建築へ 近代化の進行と下からの近代化の立ち上がり 近代建築の受容と建築家の指向の分岐 総動員体制とテクノクラシー 戦災復興と近代建築の隆盛 建築生産の産業化と建築家のマイノリティ化 国家的段階の終わり ポスト国家的段階:初期設定 発散的な多様化と分断 新世代建築家のリアリティと磯崎新 分断とまたぐもの バブルの時代 日本人建築家の国際的な活躍 中間決算2021/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17525672
  • ご注意事項