グローバルな正義

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グローバルな正義

  • 著者名:宇佐美誠
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2021/03発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326102389

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内容説明

グローバルな正義への関心が急速に高まってきた。法哲学・政治哲学・経済学の第一線の論者が、欧米の最先端の研究をふまえて、地球規模の正義を多角的に考察。グローバルな生存権・ネットワーク・社会契約・義務の理論的考察から、移民・国際貿易・食料・多国籍企業の分析と提言までをカバーする。

目次

はしがき

I 原理と構想

第1章 グローバルな生存権論[宇佐美誠]
 1 主題の設定
 2 誰がなぜ生存権をもつか
 3 生存権とはいかなる権利か
 4 誰がいかなる義務を負うか
 5 義務はどのように果たされるか
 6 批判への応答
 7 結論
 [Comment]ナショナルな絆の理論的位置づけを[施光恒]

第2章 グローバルな〈シンボリック・ネットワーク〉[長谷川晃]
 1 はじめに
 2 正義の構成条件
 3 〈シンボリック・ネットワーク〉とその構造
 4 〈シンボリック・ネットワーク〉の機能
 5 〈シンボリック・ネットワーク〉と正義の正当化
 6 おわりに
 [Comment]「多様性の要請」と「統合の要請」をいかに両立させうるか[施光恒]

第3章 社会契約モデルの拡張──ロールズからセンへ[後藤玲子]
 1 はじめに
 2 功利主義的社会厚生モデルとそれに対するロールズの批判
 3 ロールズ原初状態モデルの拡張
 4 潜在能力指標を用いることの意味
 5 ルール制定主体の範囲と情報
 6 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い
 7 センのグローバル正義構想
 8 複数の集団にまたがる個人の自己統合化
 9 結びに代えて
 [Comment]より現実的なグローバル正義論へ[松元雅和]

第4章 正義の宇宙主義から見た地球の正義[瀧川裕英]
 1 正義の射程
 2 非関係主義
 3 正義の自然義務と消極的義務
 4 正義の義務と人道の義務
 [Comment]関係主義/非関係主義概念による整序[施光恒]

II 制度と実践

第5章 移民の規制は正当化できるか?[森村進]
 1 序
 2 自由権
 3 民主主義
 4 社会の一体性
 5 経済的豊かさ
 6 配分的正義,とくに平等
 7 エコロジー
 8 パターナリズム
 9 結語
 [Comment]自国民/外国人の二重基準を掘り崩す[松元雅和]

第6章 グローバル不正義としての南北間搾取[吉原直毅]
 1 問題の所在
 2 搾取の概念的定義をめぐる論争
 3 拡張されたヘクシャー=オリーン型国際経済環境
 4 自由貿易均衡における南北間搾取関係の原理的生成
 5 結論
 [Comment]搾取理論に基づくグローバル正義観の刷新[松元雅和]

第7章 「食」とグローバルな正義[伊藤恭彦]
 1 はじめに
 2 グローバル・フードシステム
 3 グローバル・フードシステムと正義
 4 おわりに──グローバルな正義と食料主権
 [Comment]ゼロサムゲームを越えて[桜井徹]

第8章 多国籍企業の政治的責任[神島裕子]
 1 はじめに
 2 導きの糸としてのロールズの社会的協働論
 3 政治的に分断された世界の正義論──フリーマンとミラー
 4 多国籍企業の政治的責任
 5 おわりに
 [Comment]社会契約説とグローバル正義論[桜井徹]

人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すずき

0
重要そうな論文を中心に。宇佐美論文、瀧川論文はさすがだなあといった感じ。特に瀧川論文はカントの自然的義務論を基底としてポッゲの制度的加害是正義務論やカント的な正義の積極的義務を一元的に整理する図式を提示し、積極的義務=人道的義務(≒supererogation)とみなされがちだった従来の図式を批判するのは感動。 (評者はやや瀧川先生の信者みたいなところがあるのでそれを差し引いてもらえればと思います。でもGODでしょ。) 森村論文は思ったほど…って感じ。結論自体はそんなに不満がなくても雑魚ばっか蹴ってる感。2019/03/09

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