教育の正義論 - 平等・公共性・統合

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教育の正義論 - 平等・公共性・統合

  • 著者名:宮寺晃夫
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  • 勁草書房(2021/03発売)
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  • ISBN:9784326250950

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内容説明

「構造改革」の延長線上で、「市場化」は生産過程のみならず、人材の育成や生活保障にかかわる再生産過程にも及んでいる。「子どもの貧困」が問題となり、教育機会の平等性の揺らぎがさらに強まる現実のなか、本書は教育を「正義」から問い、平等主義に立つ教育政策のあり方を再検討する。『教育の分配論』の待望の続編、ついに刊行。

目次

はしがき 教育の正義/正義の教育

序章 「教育の正義」を問う意義──「改正」教育基本法の成立後において
 はじめに──正義原理の取り戻し
 1 教育基本法と原理的考察の必要
 2 立憲主義下の教育運営
 3 「正義の原理」の適用───ジョン・ロールズのテキストに即して
 おわりに─正義の複数性

I部 平等と教育

第一章 平等主義の政策課題
(1)努力の規定要因は何か──「環境」と「選択」
  1 跋扈する格差肯定論と「再チャレンジ」
  2 努力の諦め
  3 アナリティカル・マルクス主義とその批判
  4 環境要因と選択意思
  5 平等主義とリバタリアニズム
  6 誰のための平等か
(2)能力開発への社会的連帯──「自立」言説を乗り越えて
  1 社会の実体
  2 自立と平等
  3 能力と不平等な配分
  4 平等主義の能力開発

第二章 「学習社会」は若者にとってなぜ息苦しいのか──移行期における教育の不平等
 はじめに
 1 学習における機能主義と意図主義
 2 「学習社会」の理念とその問題
 3 学習と職業・雇用
 4 学習と不平等

第三章 平等主義の教育政策を擁護する──「成長」政策に抗して
 1 「分配」から「成長」へ
 2 「社会的」資源
 3 「教育の分配論」
 4 平等主義の政策

II部 公共性と教育

第四章 教育にとって公共性とは何か──「市民的公共性」を超えて
 はじめに─カントにとっての「私的」/「公的」
 1 「共同性」と「公共性」
 2 教育資源の供給と運営
 3 公共性への関心
 4 市民的公共性
 5 公共性論の原型
 6 公共財としての教育

第五章 公立学校擁護論をどのように築くか──公費支出の正当化
 はじめに──「社会全体で支える」ということ
 1 教育への公費支出
 2 教育の供給方式
 3 教育の公正
 4 外部効果論の限界
 5 公立学校の「公共性」
 6 公立学校の正当化
 7 公立学校擁護論のジレンマ
 8 共通教育の担い手と「統合」

第六章 自由を/自由に育てる──「教育の私事化」と公共性の隘路
 はじめに
 1 「リベラル・エデュケーション」の二価性
 2 憲法的権利としての「育てる自由」
 3 「教育の私事化」要求と正当化
 4 ホーム・スクール論争の帰趨
 5 自由をめぐる政治と教育

付論 なぜよその子の教育を支えなければならないのか──イグナティエフの問いかけ
 1 社会的な連帯
 2 正当化──相互的な承認
 3 公共性と私事化
 4 「教育の公共性」論の課題

III部 統合と教育

第七章 「正義」と統合学校の正当化──個人化のもとで教育機会の実質的平等を確保する
 はじめに──自由 vs. 平等
 1 機会平等と統合学校
 2 教育機会の保障と正義の二義性
 3 『コールマン報告』と統合学校
 4 離脱と自己正当化
 むすびに──平等 in 自由

第八章 政治と教育は「差別」にどのように向き合ってきたか──H・アーレントの「統合教育」批判
 はじめに
 1 「差別」の意味
 2 リトルロックと進歩主義教育批判
 3 「統合教育」の正当化可能性
 4 教育の正当化

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