内容説明
世界最高峰のヒマラヤ山系に発する幾多の大河が流れるアジア。
その「水」の恩恵と災厄との格闘がそのままアジアの歴史でもある。
水の確保が人間の生活を支え、文明のかたちを定めてきた。
アジアが現在、世界人口の過半数を擁するのは、自然増加ではなく
綿々と続く水との格闘の成果でもある。
だが、近代以降の水利技術の発達、それによる政治社会システムの変化が
人口膨張、都市化の拡大、急激な経済開発を産み、その果てに水資源の枯渇や
水質の広範な汚染が引き起こされ、それが新たな地域格差と紛争を生み出している。
本書は近現代200年にわたるアジアについて、植民地帝国、資本主義、
独立革命といった従来の歴史視点に「水」という新しい次元を加えることで、
まったく新しい姿を描き出すものである。
気候変動によってさらなる水資源の枯渇と争奪、地政学的な変化が広がりつつある現在、
人間と水を考えるうえできわめて示唆に富んだ書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
1
ふむ2021/05/04
Go Extreme
1
アジアのいまを作ってきたもの:水をめぐるアジアの危機 エコロジーの変遷 インドからの視点 水と帝国:世界最大規模のガンジス運河の完成 サイクロンの姿を再現する 干上がった大地:干ばつ・飢饉 根本原因 恐怖の生態学 水をはらんだ大気:ヒマラヤの降雪の謎 気象学と地政学 水との格闘 水と自由:水資源とアジアの民族主義運動 ダムと放水路 海洋と地下:インド洋がモンスーンに与える影響 モンスーンの失敗と政治的混乱 水辺の歴史と記憶:アジアの水危機 緑の革命 巨大ダムの建設ラッシュ 水と気候変動の問題に取り組む2021/03/08
fmsh
0
主にインドにおける治水について書かれた本。学生時代に地球科学を学んだ身で考えると、今後この地域は雨季のモンスーン極端化と氷河消失による乾季の深刻な干ばつに苦しむことになると思う。




