内容説明
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、小さいながらも人情味溢れる昔ながらのヤクザ。人望の篤い親分・阿岐本雄蔵の元には一風変わった経営再建の相談が次々持ちかけられる。今度の舞台は古びた銭湯!? 乗り気な組員たちの一方、不安でいっぱいの日村。こんな時代にどうやって……。そして阿岐本組は銭湯の勉強と福利厚生(?)を兼ねてなぜか道後温泉へ――。大好評「任侠」シリーズ第四弾! 〈解説〉関口苑生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
119
ヤクザによる世直し企業再生、シリーズ第4弾。ワンパターンではあるけれどこのシリーズ好きだなあ。文庫になるのを待ってました!今度の舞台は赤坂の銭湯。ほとんどの家に風呂がある現在、銭湯は斜陽の一途、かろうじて補助金で生き残っている仕事とも言える。でも親分が言う通り最近の日本人は「きっちり休む」って言う事が下手になったのかもしれない。一生懸命働いた後、湯船にゆったり浸かってその日の疲れを癒す。そうしたメリハリが明日の活力源となるんだろうなあ。私もシャワーだけではダメな派です。ゆったりと湯船に浸かりたい。★★★★2021/03/03
佐々陽太朗(K.Tsubota)
111
待った甲斐がありました。腹が据わっている割に気苦労の絶えない代貸・日村と丸顔で童顔のマル暴刑事・甘糟のキャラが立っているのは相変わらずだ。キャラと言えば組事務所に遊びに来る女子高生・香苗もイイ。すごくイイ。 このシリーズはひと言で云うとヤクザのお仕事小説です。ヤクザが奮闘し活躍するユーモア小説でもあります。しかしヤクザだからといって侮ってはいけません。彼らの行動様式、彼らが吐露する心のうちは大新聞の論説なんぞを読むよりも心に響きます。2021/04/25
やな
94
任侠第4弾は銭湯、余裕綽々の親分、心配性の代貸、何やら楽しそうな若い衆、今回も面白かった(^_^)2021/03/15
金吾
92
○あまり山場がある話ではありませんでしたが、面白くまたいい話です。昔銭湯に行ったときのことを思い出しながら、日本人にとり風呂は重要なツールだなと思いました。2021/10/03
mike
90
湯船に浸かるという日本独自の文化は素晴らしいと思う。寒い日に熱い湯に体を沈めた時に全身を駆け巡るあの快感と言ったら…今回の阿岐本組のミッションは銭湯の立て直し。何と言っても真吉と香苗がグッジョブ👍この本を読んで銭湯のペンキ絵師が3人しかいないという事を知って驚いた。あの富士山なんかの絵を一晩で描き上げるというのは本当にお見事。ところで、足元サラサラ好感触の珪藻土バスマットってのがあるのね。これは早速買わなくっちゃ!2024/01/13