海外文学セレクション<br> グレゴワールと老書店主

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海外文学セレクション
グレゴワールと老書店主

  • ISBN:9784488016777

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内容説明

老いた元老書店主は朗読を通して青年を読書へと誘う。老人の読書案内は、そのまま人生の道案内でもあった! 本と友情、本と愛情……本は人と人を結び合わせる。老人介護施設で働き始めた18歳の落ちこぼれ青年グレゴワールは、本だらけの居室で本に埋もれるように暮らす元書店主のピキエ老人に出会い、まったく無縁だった本の世界に足を踏み入れる。体も目も不自由になってきているピキエ老人に朗読をするのが日課となり、それは他の入居者たちにも波及する。ある日はサリンジャー、ある日はラブレー、ある日はアレッサンドロ・バリッコ……。そして、二人は下水管を通して発禁本の朗読を希望者にこっそり聞かせるイベントまで企画する! 青年は本のソムリエのような老人の案内に従って様々な本に出会い、その魅力に取り憑かれていく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

100
落ちこぼれの青年が老人ホームで出会った元書店主と、本を通じて成長していく。どんどん感情が豊かになっていく過程が気持ちがいい2022/06/11

けんとまん1007

93
文体(翻訳ではあるが)に慣れていないこともあり、読むのに少し苦労した。それでも、ものがたりが進むにつれてスピードがあがった。一種、独特の静謐感を感じたのだが、違っているのかもしれない。朗読者というステイタスや意味合いを掴みかねているが、それでも、本・・特に、音読の持つ意味合いは想像できるものがある。人は、本を通して世界が拡がると信じている。そこに関わる人へ、変化をもたらす効用がある。2021/05/17

ゆきち

92
読了に時間がかかった。題材も内容も素晴らしいのに、わたしには難しい。これがフランス文学というものなのか。グレゴワールは高校過程修了の試験に受からず、就職もままならず介護施設で低賃金で働いていた。人生が面白くなく生きていることの意味を感じない。そんな時、パーキンソン病の老書店主と関わりあう。元書店主は3000冊の本に囲まれていた。でも手が震え、目も見えにくく読むことができない。そこでグレゴワールが朗読をすることになる。本を全く知らなかった少年と死へ向かう老書店主との関わりが素晴らしかった。難しかったけど…。2021/06/01

コットン

91
老いた元書店主から影響を受けた本を読まなかった青年が朗読家となり皆に影響を与えるまでになる物語。著者は朗読家でこの本が作家デビュー作であるだけに話を伝えようとする情熱がダイレクトに伝わってくるものがある。気になる本情報も…。2021/10/01

ずっきん

84
バカロレアを落とした落ちこぼれグレゴワールが、老人介護施設で朗読者として、人として成長していく。元書店主のムッシュ・ピキエの言葉の数々がいい。本好きには真っ直ぐに刺さるだろうし、そうでない人にも届くだろう。せつないエピソードも多いけれど、元気を貰える、洒落っ気とユーモアがたなびく物語。「翻訳者の名前を必ず言うように教えた。翻訳者の仕事に敬意を表するためだ」うん、これ。2021/05/11

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