光文社古典新訳文庫<br> 現代の英雄

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光文社古典新訳文庫
現代の英雄

  • ISBN:9784334754334

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内容説明

「私」はカフカス旅行の道中に知り合った壮年の二等大尉マクシム・マクシームイチから、彼のかつての若い部下ペチョーリンの話を聞く。身勝手だがどこか憎めないペチョーリンの人柄に興味を覚えた私は、彼の手記を手に入れるが……。決闘で夭折した、ロシアのカリスマ的作家の代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

23
いやあ、英雄なの?っていうか。序文にも書いてあるけど。作家の生き方が激烈すぎる。2024/02/21

ケイトKATE

21
『現代の英雄』というタイトルから、冒険活劇小説かと思いきや、主人公グリゴーリイ・ペチョーリンが憂さ晴らしに、美しい女性を口説いたり、恋敵の同僚と決闘する話で、ペチョーリンは英雄とは程遠いものである。『現代の英雄』が発表された当時のロシアは、皇帝ニコライ1世の時代で、民主主義思想が徹底的に弾圧されていた。著者ミハイル・レールモントフは、時代の閉塞感を映し出そうとして書いたのであろうか。プーチンのロシアも閉塞感が漂っているので、レールモントフのような作家が登場する可能性があるかもしれない。2024/03/27

あっきー

21
⭐2 桑原世界近代小説五十選23冊目、名作五十選と言う程の話とは思えなかったが解説を読むと奥は深いみたいだ、面白さを理解するには何度か読む必要がありそうだが共鳴もしなかったからそこまではしないな2022/01/30

Pustota

13
光文社古典新訳文庫は当たりはずれがある印象だが、これは当たりではないかと。ペチョーリンの独白が、掴みどころがないのにそれでいて胸に迫ってくる。解説も謎解きのヒントを程よく与えてくれる感じで良く、もう一度読み返したくなる。悪魔的な力と魅力を持つ勝利者であり、環境と他者に歪められた自分を意識しながらも、どこか真実なもの、大切なものを求めてもがいているかのようなペチョーリンの姿は、なんとなく生きづらさと退屈を抱えていきている現代の我々にとっても、ある種の悲劇的な英雄のように見えるのかもしれない。2020/11/01

まこ

9
話の時系列が違っているからマクシームイチがペチョリーンに一目置いている様子に違和感が残る。そこからペチョリーン自身の手記から彼自身の本来の姿が描かれると違和感が減っていく。ペチョリーンは人を小馬鹿にして思うよう操っているから、他人の悪意を買いやすい、本人があえてそうしている。マクシームイチは、ペチョリーンの良い面しか見ていなかったけど、悪い面を見てペチョリーンの思うように彼を見る。事実を唯一知っているのは語り手だけ。2022/07/03

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