河出文庫<br> 非色

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河出文庫
非色

  • 著者名:有吉佐和子【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 河出書房新社(2021/02発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309417813

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内容説明

待望の名著復刊!戦後黒人兵と結婚し、幼い子を連れNYに渡った笑子。人種差別と偏見にあいながらも、逞しく生き方を模索する。アメリカの人種問題と人権を描き切った渾身の感動傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

192
戦時中の日本。母親と妹で貧乏生活、昼は軍需工場で働き警報が鳴れば待避また待避の生活に明け暮れた笑子(えみこ)。碌に青春時代も知らぬまま終戦を迎え、バアのクロークで働くのだが、そこでアメリカ黒人兵に見初められ彼の子を身籠ってしまい、生まれた女の子はどうみても父親寄り。そのうち父親は帰国してしまい、子供に対する家族や世間の冷たい態度に耐え兼ねた笑子は子供を連れてアメリカへ渡る…兎に角話の展開が早く、笑子のその後が気になり夢中で読んでしまう。人間の差別意識そのものに鋭く切り込んていく物語は大変読み応えがあった。2026/06/16

ちょろこ

130
差別とは何かを掘り起こした一冊。ものすごく惹きこまれながらも絶えず鉛のようなものが心に沈殿していく時間だった。戦争花嫁として、アメリカの黒人兵と結婚した主人公の笑子。その笑子の目線から、差別なる土壌にスコップを立て少しずつ土を掘り起こし、差別の根なるものを探していくよう。人種のるつぼアメリカで目の当たりにした肌の色だけで括れない現実。弱さも強さもズルさも…笑子の感情のるつぼに共に揺さぶられ続けた。そして笑子が辿り着いた差別の根という答えにスッと背中に冷たい風が吹いた。心から思う。この本を手にして良かった。2024/01/25

まさきち

121
戦後、占領軍の一員として日本に来た黒人男性と結婚し、後に渡米をしてたくましく生きていった女性の半世紀。その中で遭遇する人種、階層の差別に戸惑う姿に圧倒されましたが、自分が子供の頃にもこういった差別的な扱いは色濃くあったなと改めて思い起こされ、色々と考えさせられた一冊でした。有吉さんのさらさらと流れるようで大事なことはしっかりと伝える文面も素敵でしたし、手にして本当にいい一冊でした。2022/12/10

ふう

106
フィクションで、しかも戦後の米兵と日本人女性の結婚から始まる物語なのに、目の前で今起きている現実を見せつけられているような重く力のある作品でした。『非色』色に非ず。皮膚の色が差別の要因の中で一番大きな比重を占めていますが、人は同じ色の中でも差別の種を見つけます。人種、出身国、教養、職業。性別も大きな要因ですが、この作品では、むしろ女性の方がたくましく賢明に描かれています。主人公笑子が差別から逃げず、差別される側で生きていくと決めた強さに、「差別をしない生き方」というのはこういうことなんだと胸を突かれました2023/09/06

じいじ

83
【人種差別】がテーマで、すごく重い内容だ。有吉佐和子が渾身を力を振り絞って書き上げた力作。このテーマは何冊か読んだことがあるが、しかし、これほどまでに分かりやすく面白く読ませてくれた本はなかった。物語の前半は、笑子と家族の動向・黒人兵トムとの「結婚」にいたるまでが、丁寧に愛情をこめて綴られる。「平等の精神」と「熱意」があれば、言葉がなくても相手に真意は通じるのだと、よく分かりました。この二人に念願の女子が誕生ーメアリーと命名。トムは〈ユキコ〉を主張したが…。私の長女が〈由紀子〉で思わず顔が綻んでしまう。2025/01/29

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