内容説明
令和に生きるサムライが私たちに贈る言葉──墜とすか墜とされるか。究極の大空の戦いに際し、空戦奥義を発揮して敵機をつぎつぎと屠った戦闘機搭乗員の沈着冷静、闘魂あふれる激闘の日々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
廊下とんび
10
長身の割に童顔という印象を持っていた人だけど終戦時19歳とは驚いた。選りすぐりの戦闘機乗りを集めた三四三空の人たちも二十代前半の人たちばかりだったのだな。子供の頃、漫画(紫電改の鷹)に胸躍らせたものだけど https://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130153_000002021/04/25
中将(予備役)
3
先日亡くなられた笠井氏の冥福を祈って。負け続けている局面でのパイロットの生活や当時十代だった一下士官の考えたことが分かって興味深かった。菅野直や杉田庄一も頼れる上司として出てくる。敵機の死角を狙ったり、肉薄して撃っては離脱するのを繰り返したり、編隊を組んで一番機からの電話での指示を元に向かっていったり、こんな風に戦っていたのか、というのが分かった。戦死の記述は悲しかった。聞き書きの形ではあるが、最近になってこの本を出してくれたのはありがたい。現代になって語る思いもしかと受け止めたい。2021/01/23
もちもち
2
著者の訃報をネットニュースで目にしたため、積んであったこちらの本を読むことに。 菅野さんや杉田さんなどの操縦の腕も良く人格も素晴らしい戦友が次々と戦死していくのに胸が痛くなった。 飛行機乗りは優秀な人が多かったから、それだけ良い人材が国から失われたということなんだな…。 著者のご冥福をお祈りします。2021/01/27
うょ
1
菅野大尉に関するエピソードを求めて手に取った。 笠井氏ご本人のお話を元にしているため、特攻などに関してもその頃の情勢を思わせるように淡々としている。 菅野大尉や杉田兵曹などの語り口が活き活きとしており良い。予科練時代は特にやんちゃなエピソードも多く、普通の年相応にふざけたり笑ったりする若者達が命を掛けて奮闘し戦死していったのだと改めて切に感じた。紫電改と初めて対面した際のエピソードは特に心に残った。思想的政治的に偏った見方ではない、当時の戦闘機搭乗員の素直な心情が描かれていると思う。 2022/08/27
Haru
1
笠井氏が亡くなったというニュースを知った。ちょうど「敷島隊の5人」をスタートに、今も旧海軍の航空隊の戦記や操縦士たちの物語を読んでいる。笠井氏の現代でも国を守る気持ちは戦後も変わらなかったぢ、国旗国歌に対する思いも強かった。これを軍国主義の権化とか遺産と呼ぶのはあまりにも単純だ。平和を愛する気持ちは同じだし、むしろ現代人より強かったであろう。こういう方々の生涯を知ることが我々戦争を知らない世代の義務だと思う。2022/03/02