内容説明
新型コロナは国家の衝突と教育階層の分断を決定的なものにした。社会格差と宗教対立も深刻で、トランプ退場後もグローバルな地殻変動は続く。中国の覇権も勢いづく。日本はこの危機とどう向き合えばよいか。世界と人類の大転換を現代最高の知性が読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NICKNAME
35
この人の本は過去にもいくつか読んできてとても参考になると思ってきた、基本それは変わらないがこの人は自身をエリートリベラル左派であると公言しトランプの政策に対しては一部評価はしている様だが、心情的にはアンチトランプの様で見たくないことは見ていない様で学者である以前にこの人も人間なのだと思わされます。対話形式で書かれているが、聞き手の大野という人物は朝日新聞出身でNHKにも関わりのある生粋の左翼の様である。朝日新聞出版ですしね・・・2021/04/20
しゅわっち
22
軽い内容でした。ただ、日本社会は、格差拡大よりも少子化のほうが問題であることを再認識させる本でした。私も含まれると思いますが、移民が増えて、日本の礼節がなくなるのを危惧する人が多く、なかなか移民の難しさを感じました。日本社会は、所得第一優先から、中学まで子供無償化などの、子供第一優先に変更する必要性を感じました。また、本を関連は薄いですが、vrが発達し、都市に行かなくても演劇等が見れる環境になれば、若者も都市に出なくても、文化に触れる環境になれば、地方も元気になるのではないかと思います。2021/07/04
ta_chanko
22
ソ連崩壊・冷戦終結→アメリカ一極支配・グローバル化→新自由主義の拡散→先進国で格差拡大・新興国の成長→保護主義・ナショナリズムの広がり→コロナ・パンデミック→次はどんな時代に? 日本の一番の課題は少子高齢化問題。出生率の低下を解決できず、移民の受け入れにも拒否反応が強い。だが、留学生・技能実習生というかたちで事実上、移民の受け入れは進んでいる。緩やかな社会への統合ができるかが課題。ヨーロッパでは着実にドイツのEU支配が進んでいる。アメリカはトランプがゲームチェンジャー。中国との対立の行方は如何に?2021/05/10
美東
19
フランス人の著者は一貫してドイツの脅威を主張している。日本からみてヨーロッパは遠いのでいまひとつピンとこなかったが、中国の脅威に置き換えてみるとなるほど納得できる。2021/04/07
黒猫
17
トッド氏のコロナ後を語る青眼にはには恐れ入る。コロナはそんな心配する必要はないと説く。理由は「なくなっているのは75歳以上の老人」が中心だからだ。トッド氏は人口学から見て、高齢者の市より国を支える若者がバタバタ死んでいく方が国に、経済に大打撃を与えると予言している。今の経済ばかり目を向けていると、経済を立て直す力の若者がいなくなると。老人より先に若者を優先して保護しろという。極めて的を射ており納得した。自国のフランスとドイツの政情を中心として、グローバリズム、新自由主義に囚われるなとの警告を肝に銘じたい。2021/04/04