ポプラ文庫<br> 学校のセンセイ

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ポプラ文庫
学校のセンセイ

  • 著者名:飛鳥井千砂【著】
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • ポプラ社(2021/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784591120989

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内容説明

「そうなんだよ。面倒なんだよ。教師って」 なんとなく高校の社会科教師になってしまった桐原。 行動原理はすべて「面倒くさい」。 適当に教師生活を送ろうとするものの、なぜか周囲の人間たちが彼に面倒ごとを持ちこんでくる。 酔うと“女モード”に変身する友人、素行不良の生徒に、一方的な好意を寄せてくる生徒、神経質すぎる同僚の教師に、ヘンな格好をした隣人……。 小説すばる新人賞作家が描く、誰よりも“教師らしくない”青年の、誰よりも“センセイ”な日々。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優愛

169
特別やりたいこともないまま何となく高校の教師になった桐原。生徒への接し方でさえ面倒だと言い切って過ぎていく毎日にはまるで熱意がない。だからこそ後半の変化故の先生らしさはとても素敵です。こうでありたいという像を思い描く人よりも、気取らない生き方をする先生の方が好き。形に捉われずに生徒一人一人の表情が見えていると思うから。きっとこうして前よりも自分が好きだと思えるくらいには変われるはずだから。かつての印象深い先生に再会したくなりました。桐原先生の素敵な面まだまだたくさん知りたいけどこれは生徒の特権ですね(笑)2015/01/22

さてさて

158
『俺も仕事だからな。仕方なくやってんだよ。じゃなきゃやってられるか、こんなこと』。『私立高校で勤務二年目』という教師の桐原一哉の日常が描かれていくこの作品。そこには、『面倒くさい』ことごとを仕事と割り切りながら生徒と対峙する一哉の姿が描かれていました。個性豊かな人物が物語を盛り上げていくこの作品。一見、先生っぽくない教師が一番教師っぽく生徒と対峙していく摩訶不思議を見るこの作品。こんな風に教師を描くことができるんだ!と驚く、等身大の教師の実像を極めて自然体に描き上げる飛鳥井さんの上手さを感じた作品でした。2025/03/28

5 よういち

115
全てのことが"面倒くさい"桐原は、なんとなく"就職"してしまった高校の社会科教師。適当に""センセイ"をやろうとする桐原だったが、生徒や同僚教師、女友達が問題を持ち込む。さらに超ミニスカートのイエロー女が現れて...◆面倒くさいと言ってる割には、完全放置はできない桐原。周囲の人間に巻き込まれながらも、最後のポイントで自分の本音をさらけ出していこうとする。◆主人公の心の声はいたって素直で、とても好感が持てる。ほろ苦もあるけど、読後感は爽やか。"桐原も少しずつ変わってきたみたいだし、よかったね"で読了♪2019/05/06

優希

110
面白かったです。教師らしからぬ青年のセンセイな日常が青春だなと思いました。面倒くさがり屋の桐原先生。適当にセンセイをこなそうとしても面倒事に巻き込まれていくのが何とも言えず絶妙です。少しやる気がなくて飄々とした先生がいてもいいような気がしました。肩の力を抜いた方が意外と先生としてうまくやっていけるのかもしれませんね。文章も読みやすく、新たな教育青春小説という感じでした。2016/03/16

のいじぃ

107
読了。全てにおいて適当な距離で教師をやっている桐原センセイが少しずつ変わっていく物語。9年前の作品。気怠げな雰囲気やテンポの良いツッコミと自虐を交えた彼視点の文章、何だかんだと巻き込まれていく様はどこかのよろず屋が重なったり重ならなかったり。それはさて置き時代の流れと温度差、特に溝口先生のやりとりの中で、きちんと「何かが足りない」世代を表現しているのが印象的でした。彼は面倒の割によく「思考」していますね。あと最後の方で「事件」が唐突に語られるのですが、それが諦め癖の原因なのか元からの性格なのか悩みました。2016/09/09

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