内容説明
絶対不敗の勇者はいかにしてつくられたか? 趣味尽きない歴史人物エッセイ。人生ここ一番の勝負で勝った男たち――絶対不敗の人間は、いかにしてつくられたか……。宮本武蔵、大石内蔵助、徳川吉宗、山岡鉄舟など、史上稀なる剣客、名将、大器量人の、厳しい自己鍛練。剣の奥義が処世の指針となる道理と、「勇」に尽きる必勝法。剣の実践者の著者にして初めて可能な、合理的で躍動感にみちた語り口の、興趣つきない歴史エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
11
3年くらい前に読んだ本だが、再読。再読して思うことは、津本陽も結構読んでいることもあるし、マンガ日本史を含め、歴史小説も定期的に読んでいる。そうすると前回読んでもたいして興味もなかったところが、非常に面白く感じ、よくわかる。自身の成長を確認することができた。一度読んで売ろうかと思ったが、取っておきたい本になった。(ますます本棚が…)内容はタイトルにある通り、勝負事は平常心や、そのための平素の鍛錬、呼吸(拍子)などの生きる上での心構えを歴史上の人物を通じて得ようとするものである。共感できる内容である。 2015/10/26
Kusashiai
0
津本 陽氏の本を『孤塁の名人』に続いて、本書を読んでみた。個人的には、剣術家・兵法家を扱った章が面白かった。それにしても真剣を使った、文字通りの真剣勝負については、普段読み親しんでいる徒手格闘技とは一挙手一投足の重みが違うなと感じられた。なお、『孤塁の名人』は合気について掴みかねているためか筆に迷いが有ったと思う。しかし、それはそれで誠実さが感じられた。一方、本書は資料を通して古今の歴史上の人物を取り上げているので、適度な距離と時間の感覚が有るので、カッチリと割り切って書いて有ったのは、何となく興味深い。2012/03/14