内容説明
震災から10年 未来へ記憶されるべき奇跡。
「火の海 ダメかも がんばる」。2011年3月11日、気仙沼。津波とともに、燃え盛る重油が公民館を取り囲んだ。避難していた住民たちは孤立無援となる。その中のひとりの女性が、スマホの電池の残量を気にしながらかろうじて打った冒頭のメールが、ロンドンの息子に届いた。息子は、どこかの誰かに救助を求める文面を必死に考え、発信した。このTwitter140文字が、東京のある零細企業の社長の目に留まり、「偶然」という名の必然によって、東京都副知事に繋がって、東京消防庁のヘリが救出に飛び立った! 災害救助の「永遠のケーススタディ」となるべき、奇跡の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆ツイテル☆
2
フライヤー2022/01/29
うたまる
1
東日本大震災時の気仙沼公民館での避難と救出のドキュメンタリー。俗に自助、共助、公助と言われるが、真にそれらがサバイブの基本であることを生々しい証言の数々で証明していた。消防署への「救助に来られないなんて、死ねっていうんですか」の物言いは、自助と共助を想定していなかった者の暴論でしかないことを肝に銘じなくてはならない。また自動車で避難しようとしていた人に死者が多く出たことも象徴的。家族と逃げられる、貴重品も運べる、早く移動できる、などのメリットに固執し犠牲になったのだ。愚直に逃げることに専念する。それだけ。2022/08/11