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内容説明
米ハーバード大学を卒業し、知性と明るい性格を持ち味に日本で大活躍の「パックン」こと、パトリック・ハーランさん。現在は東京工業大学の非常勤講師まで務めておられます。順風満帆に思えるパックンですが、実は子どもの頃は経済的に困窮し、コンプレックスを抱えていたそう。
本人曰く「ド貧乏」。ド貧乏な子ども時代から、ハーバード大学を卒業され、日本のお笑い芸人から大学講師になられるまでのパックンの「格差逆転の生き方術」をまとめたのが本書。
「生まれた環境ですべてが決まってしまうような人生で、本当にいいの?」
パックンの答えは「NO!」
勉強でもお金のやり繰りでも仕事でも心の持ち方でも、貧乏には貧乏なりの戦略がある。
何より、貧乏には「貧乏力」という人一倍がんばれる力がある。
日本の「子どもの貧困」の現状も丹念に取材しながら、パックンがこれまでの人生で培い、編み出してきた知恵と努力の結晶「格差逆転の生き方術」を初公開します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
28
妻のお薦め本。テレ東のモーサテに出ているパックンの見た日本。「日本の子供の7人に1人が貧困 」という実態は他でも目にする、深刻な問題である。貧しい母子家庭育ちの彼ならではの逆転の発想で「子供を貧困から救うことは『福祉』ではなく『投資』です。将来の納税者を育てるからです。」と説く。なるほど。実際に子供の支援活動や、支援を受けて社会へ出た若者を取材する。貧困層に大学へ行くメリットを理解させることが難しい、という点は「ケーキを切れない少年たち」に通じる。清貧の思想とか互助とか、難しい日本語も使いこなしているね。2021/08/01
まゆまゆ
13
幼少期に貧乏であっても、その境遇を嘆き立ち止まっていたらダメ。貧乏を理由に何もかも諦めるしかない社会は間違っており、多くの人からサポートを受けてでも機会の平等を目指す貧困対策を提言する、エッセイのような内容。子どもの貧困対策は福祉ではなく投資である、ということを社会全体で共通認識できる日は来るのだろうか……2021/06/08
アルカリオン
9
パックンはハーバード大学出身ではあるけど「学力枠で入った庶民」だと口にしているのを何度か聞いた。大口寄付者等は入学選考に際して特別な扱いを受けるが「裏口入学」というような話ではなく、そのおかげで自分のような経済環境でも進学できた、と▼そのような話は知っていたのだが、本書を読んで「庶民」どころではない苦労人だということを知った。苦労しながらも周りに助けられ(おそらく『助けがいのある好青年』であったことだろう)、彼だけのサクセスストーリーを体現してきたのだなあ。2024/10/20
えがお
9
ハーバード大卒、華々しい経歴の「パックンまっくん」のパックン著。実は母子家庭出身で文字通り食べるに困る極貧から這い上がり、朝3時起きで新聞配達してから登校、学校には仮眠用の枕を置いて仮眠してから授業しながら宿題も終わらせ、終わったらバイトしてまた明日に備える…という毎日だったのだという!周囲に恵まれたと感謝してるけど、挫けないでここまで成功してスゴすぎ…!単にご自身の半生の話に留まらず、日本でも増えている相対的貧困を取材して、日本の同じく境遇の子供たちに何が出来るのかを書いていて感銘。オススメです2022/01/18
luckyair
7
パックンの生い立ちや苦労と、そこから得たハングリー精神などが興味深い。子供達に対してもお金の大切さを説けるのはその経験あってこそ。一方で、大きなハンデとなる貧困は学びはあるが、絶対に無くすべきと。自己責任論を唱える人が多いが、そもそも機会が不平等ということが認識できていないから。手を差し伸べたりサポートがあってからの自己責任。支援に対する行き過ぎた平等論が日本の特徴かも。歴史の時間に天井の穴を数える計算方法を披露する場を認めてくれた先生は素敵。多様性を認めることが出来ない日本では、今でも難しい。★★★☆2021/10/26