岩波ジュニア新書<br> 食べものから学ぶ世界史 - 人も自然も壊さない経済とは?

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岩波ジュニア新書
食べものから学ぶ世界史 - 人も自然も壊さない経済とは?

  • 著者名:平賀緑
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2021/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009374

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内容説明

砂糖や小麦粉など身近な食べものから「資本主義」を解き明かす! 産業革命,世界恐慌,戦争,そしてグローバリゼーションと「金融化」まで,食べものを「商品」に変えた経済の歴史を紹介.気候危機とパンデミックを生き延びる「経世済民」を考え直すために.

目次

はじめに┴序章●食べものから資本主義を学ぶとは┴食と農の現実┴食べるための働き方も変わった┴資本主義とは┴食べものから世界経済の成り立ちを学ぶ┴1章●農耕の始まりから近代世界システムの形成まで┴農耕の「神話」と穀物の役割┴大航海時代と重商主義┴資本主義と産業革命の始まり┴砂糖の世界史┴小麦粉も世界商品に┴英国中心の第1次フードレジーム┴2章●山積み小麦と失業者たち(世界恐慌から米国中心世界の成立まで)┴自由放任主義による競争と過剰生産┴作りすぎて「恐慌」に┴戦争特需と景気の過熱から世界恐慌へ┴大恐慌への新しい政策対応┴3章●食べ過ぎの「デブの帝国」へ(戦後~1970年代までの「資本主義の黄金時代」)┴大きな政府の下で「資本主義の黄金時代」┴農業・食料でも大量生産+大量消費┴「デブの帝国」:安くした穀物で糖分・油・肉・乳製品を┴米国中心の第2次フードレジーム┴4章●世界の半分が飢えるのはなぜ?(植民地支配~1970年代「南」の途上国では)┴「飢餓」:その現状┴「南」における食と資本主義の歴史┴「緑の革命」:工業的農業モデルを途上国に輸出┴まとめ┴5章●日本における食と資本主義の歴史(19世紀の開国~1970年代)┴近代前の「糧飯(かてめし)」┴開国と近代国家建設プロジェクト┴近代的な日本食品産業の誕生┴第一次世界大戦~第二次世界大戦(1914~1945年)┴戦後日本の食と経済┴日米政府と業界による消費増進キャンペーン┴小麦粉や油を多用する食品産業の発展┴まとめ┴6章●中国のブタとグローバリゼーション(1970年代~現在)┴1970年代初めのショック┴新自由主義とグローバリゼーション┴中国のブタが世界を動かす?┴日系総合商社のグローバル戦略┴日本政府も日系企業のグローバル展開を後押し┴第3次フードレジーム?┴おわりに 気候危機とパンデミックの時代に経済の仕組みを考え直す┴お金では計れない「大切なモノ」を見直す┴主な参考文献┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

102
資本主義の現代において食べものが「商品」となり、食べ過ぎによる不健康と食料の約3分の1が廃棄される一方で、約20億人が食料不安を感じている矛盾。江戸時代まで自給自足だった日本で、明治以降、砂糖・小麦粉・豚肉・大豆・トウモロコシが現代の食生活の中心を占めるのに至る過程が理解できる。英国の産業革命を支えた植民地での砂糖や小麦以外に大豆の輸入も増加した。満州で大豆を生産し満鉄を利用して商社を保護することが国策で、日本の植民地化を防いでいたが、日本も植民地を作ろうとしたということは差別の構造と同様に思えてしまう。2022/06/26

けんとまん1007

69
人は食べないと生きていけない。その根幹に関わる「食べもの」を基軸とした視点での歴史が、興味深く、また、人間の欲望の醜さが感じられる。成長=経済という一点で走ってきている結果が、今の時代を作っている。そこから何を学ぶのかなのだが、格差の拡大と対立という側面が壁でもある。僅かではあるが、自家菜園で野菜を作って、家族や知人に安心して食べてもらうために考え・やっていることもある。だからこそ、食べ物への関心は弱くなることはない。自分の足元を見つめることからだ。2024/06/03

ちゅんさん

49
まず大勢の方が書いているように世界史ではなく経済史です。そして著者の資本主義批判が強すぎて読むのがしんどかったです。ジュニア新書なので(まだ自分の考えを持ってない、情報を判断出来ない可能性も考えて)もう少し中立に書いて欲しかった。何でもかんでも資本主義を批判し過ぎ、ちゃんと良い面にも触れないとフェアじゃない。たくさん本の紹介をしているが紹介の仕方も雑で読む気にならないし表やグラフもあまり効果的とは思えない。結構評価が高い本だったのでかなり楽しみにしてましたが残念です。2022/09/20

わむう

32
YA向けに資本主義や世界経済、貧困による飢餓がなぜ起きるのかについてわかりやすく書かれています。小麦・砂糖・トウモロコシ・油がなぜ世界でこれだけの需要があるのか、戦後、食生活がどのように変化したのかが重要なポイントだと思います。現在でも飢餓で亡くなる人がいる地域がある一方、「食べたら死ぬ」と言われるような肥満や成人病患者が医療費の大半を占める国もあります。だからといって食料を運ぶだけでは根本的な解決にはならないのことも説明していてYAが自分たちで未来について考えるいいきっかけを与えてくれる本かと思います。2021/09/19

タルシル📖ヨムノスキー

25
読みながらふと思う、そういえば弁当やサンドイッチはともかく、おにぎりやお茶、果ては水までいつのまにかコンビニで買うようになってる。この本は砂糖や小麦、大豆やトウモロコシからカップ麺まで、私たちの身近な食べものから、世界の歴史の変遷、特に資本主義社会と経済の仕組みについて解説してくれる本。中高生向けの新書だけあってとにかく平易な言葉で、難しい理屈はかっ飛ばしているのでとにかくわかりやすい。中高生だけではなくて、根本はよくわかってないのにわかったふりをしている私のような大人が、学び直すきっかけにちょうどいい。2025/09/21

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