内容説明
「西洋音楽」とは何か。それはどのように形成されてきたのか。
古代ギリシア人によって気づかれた、音の高低と数学の関係、音の並び。それは音楽として中世から近代へと西洋で練り上げられていった。
音階や半音の発見、音を重ねることへの傾きと和音原理の探究、長調・短調の整序と規則の整理、また、人間的感情の美的表現から心地よさの追求へ。
西洋音楽は、一つの「世界創造」であった。本書では、その楽理の由来、実践の発展を訪ね、自然と音楽の関係、背景にある思想の展開に焦点を当てる。
西洋音楽とは普遍性を持つものなのか。自然のなかにドレミファソラシドはあるのか。
【目次】
第1部 音楽のかたちについて
第1章 モンテヴェルディ、1600年前後の音楽
第2章 西洋音楽はどのように流れるのか?
第3章 西洋音楽における半音と三全音――予定調和のための塩と悪魔
第2部 調・調性・和声について
第4章 調と調性
第5章 調整とは何なのか
第6章 和声の成立
第7章 音楽と自然
目次
第1部 音楽のかたちについて
第1章 モンテヴェルディ、1600年前後の音楽
第2章 西洋音楽はどのように流れるのか?
第3章 西洋音楽における半音と三全音――予定調和のための塩と悪魔
第2部 調・調性・和声について
第4章 調と調性
第5章 調整とは何なのか
第6章 和声の成立
第7章 音楽と自然
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
74
著者は、一貫して、パレストリーナ様式を打ち破ったモンテヴェルディの革新性を強調する。モンテヴェルディが行った「予備なしに属七の和音を登場させる」という掟破りが、主音へ収斂する構造を持つ「現代の調性」の出発点だと言う。モンテヴェルディに対して、そういう認識を持っていなかった私には、この指摘はとても新鮮だった。後半では、カデンツから音階、調、調性、和声へと考察は広がり、ラモーの和声論に収斂してゆく「西洋音楽の正体」が明らかにされる。音楽好きの人にはとても勉強になる、非常にいい本だと思う。2021/04/08
YO)))
15
属七の和音により教会音楽のルールを逸脱し、進行に自由度をもたらしたモンテヴェルディの革新、「音楽の塩」としての半音の役割の歴史、教会旋法から24の長・短調のシステムへと至る錯綜した経緯、水平の旋律主体から垂直の和音主体への転回、など、あまりにも世界に広く普及しているが故に、殆ど単一の「音楽そのもの」とすら捉えられがちな西洋音楽というものについて、調と和声にフォーカスしながら、その一筋縄ではいかない来歴を辿る。2022/09/04
小鳥遊 和
3
ルネサンス期~20世紀の音楽を「それぞれ良い音楽だ」位に気軽に聴いてきた者として、近年の優れた音楽史系書籍には驚かされるばかりだ。本書は24の「音階」がまさにバッハ時代に確立したこと、それまでは「旋法」しかなく、その後も「旋法」は生き残っていたこと、24の調性が確立してはじめて(ラモー他の)近代和声法が発達したことを記す。私は出勤途上はフランドル楽派の合唱、帰宅途上はブラームスの室内楽という風に無構造に西洋音楽と付き合ってきたので、「調性と機能和声の成立」が西洋音楽史を二分すると教えてくれた本書は貴重だ。2023/08/13
左手爆弾
3
意欲的なタイトルで、しかも講談社メチエという入門者向けのレーベルで出されているので期待したのだが、内容が濃密すぎて、ある程度の専門性がないととっかりを見つけるのが難しかった。とはいえ、要点は明快だ。音楽がそれ自体として成立してきたというより、キリスト教の教義と結びついて成立してきたこと。音楽は自然の中から取り出されてきたものではなく、人間が人工的に作ってきたということだ。細かい知識や「楽譜を読む」力があればもっと楽しめるのだろうが、そこまでは手が回らなかった。2021/10/07




