内容説明
プライバシーはすでに崩壊している!? 個人情報やプライバシーをめぐる法制度の概要、最新の議論状況、国際的な動向等を紹介。あわせて、制度設計に必須となる、プライバシー保護技術の入門的な内容を解説する。議論をするにも、まずはここから。
目次
はじめに─本書の読み方
1章 序
1.1 Suica騒動
1.1.1 経緯
1.1.2 転売における危険性
1.2 Googleをめぐる判例
1.2.1 日本におけるGoogleサジェストの訴訟
1.2.2 EU司法裁判所の判断
1.2.3 日本におけるGoogleの表示差止仮決定
1.3 名簿業者問題
1.3.1 ベネッセ個人データ漏洩事件の概要
1.3.2 プライバシー保護からの問題点:名寄せ
1.4 プロファイリングとフィルターバブル
1.4.1 顔画像認識と居場所認識の名寄せ
1.4.2 フィルターバブル
1.5 本書の構成
2章 法制度と技術に関する基礎概念
2.1 データ主体と個人情報
2.1.1 個人情報の集め方
2.1.2 散在情報と処理情報
2.1.3 個人情報、個人データ
2.1.4 散在情報と処理情報─再考
2.2 プライバシー
2.2.1 忘れられる権利と追跡拒否権の実装上の問題
2.3 個人情報の多様化
2.4 個人識別情報
2.5 機微情報
2.6 オプトアウトとオプトイン
2.7 個人情報分類の新たな視点
2.7.1 時間的視点
2.7.2 個人紐付けの視点
2.7.3 行動観察とデータベース格納の可知/不可知の視点
2.8 データベースのレコード構造
2.9 匿名化
2.10 仮名化
2.10.1 仮名化の基本アイデア
2.10.2 多重仮名化
2.10.3 多重仮名化における分野ごとの情報の価値の差異
2.10.4 仮名の生成方法
2.10.5 仮名化された個人データの開示、訂正、消去にかかわる問題
2.11 技術的対策の類型
3章 米国、EU、日本のプライバシー保護制度の現状
3.1 OECDプライバシーガイドライン
3.2 プライバシー・バイ・デザイン
3.3 米国の法制の概観
3.4 EUの法制の概観
3.5 越境データ移転
3.6 日本の状況
3.6.1 個人情報および機微情報の定義
3.6.2 匿名加工情報
3.6.3 個人情報、匿名加工情報、統計情報の間の関係
3.6.4 匿名加工情報と統計法
3.6.5 個人データの移動
3.6.6 個人データの開示と消去
3.6.7 個人情報保護委員会設置
3.7 まとめと展望
4章 パーソナル・データ・エコシステム
4.1 同意の形骸化と説明責任
4.2 パーソナル・データ・エコシステム
4.3 VRM
4.4 個人のアイデンティティの確保
4.4.1 SAML
4.4.2 OpenID Connect
4.5 将来への課題
ほか
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一索
笠井康平
GASHOW