職務格差 - 女性の活躍推進を阻む要因はなにか

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職務格差 - 女性の活躍推進を阻む要因はなにか

  • 著者名:大槻奈巳
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2021/02発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326653966

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内容説明

仕事のわりあて、人事制度や評価方法,年齢制限などによって、女性が働く場でどのように不利になっているかを、システムエンジニア,旅行業,医療介護職、NPOで働く人々を事例に検証する。また、超氷河期に就職した若年層の管理職志向や雇用不安のなかの既婚男性の稼ぎ手役割意識などから、人々の意識と社会の構造を考える。

目次

はしがき

序章 職務格差――この問題をとりあげる理由
 1 女性活用というけれど
 2 女性の働き方の現状
 3 性別役割分業への意識
 4 基幹労働者になっていない女性たち
 5 家族重視モデルではなく職場重視モデルから考える必要性
 6 本書の目的と構成

第I部 仕事を通した格差の形成

第一章 なぜ「女性活用」は進まなかったのか――性別職務分離の過程分析
 1 性別職務分離を考える視点
 2 性別職務分離の過程分析─雇う側の選好
 3 職務のわりあてと昇進、知識・スキル
 4 日本的雇用システムの変化と性別職務分離

第二章 職務評価と是正賃金――同一価値労働同一賃金原則の考えから
 1 医療・介護四職種の職務の価値と賃金
 2 施設介護職員とホームヘルパーの職務比較と賃金

第三章 雇用における年齢制限
 1 年齢制限の実態
 2 年齢差別、年齢についての人々の意識

第四章 女性のNPO活動と金銭的報酬
 1 女性とNPO活動
 2 女性が「力をつけること」とNPO活動
 3 女性のNPO活動と金銭的報酬

第II部 不透明な時代の人々の意識

第五章 超氷河期に就職した若年層の管理職志向
 1 不透明な時代の仕事観とジェンダー意識
 2 雇用の状況、仕事観、ジェンダー意識の関連
 3 仕事観とジェンダー意識に影響する諸要因
 4 韓国、イタリア、カナダの傾向
 5 四ヵ国若者の仕事観とジェンダー意識

第六章 雇用不安定化のなかの男性の稼ぎ手役割意識
 1 雇用不安定化と稼ぎ手役割
 2 先行研究をめぐって
 3 雇用・事業の安定度、転職・離職と男性の経験
 4 男性の稼ぎ手役割意識になにが影響を与えているか─複数の要因の検討
 5 男性が「おりずにがんばる」社会から「普通に暮らせる」社会へ

第七章 競争社会における親の子どもへの期待
 1 親と子どもをとりまく現状
 2 親の子どもへの期待に関する研究
 3 調査の概要
 4 分析の結果
 5 「男らしさ」期待は競争社会のなかで勝ち抜く期待

終章 「女性の活躍推進」になにが必要なのか
 1 労働過程において女性はどう不利なのか
 2 職務格差の形成と人々の意識
 3 管理職志向が低いのは社会の構造による
 4 職務を評価して賃金をきめることが重要な理由
 5 真の女性活躍をめざして

あとがき
文献
索引
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュリアンヌ

7
女性の活躍推進を阻んでいるものは何か。子育てや家事といった家庭内の責任からではなく、仕事に焦点をあて、その要因を探った1冊。第1章の職務の割り当てが、女性性のイメージとの結びつきで行われていること、配属・昇進の基準も男女で異なることなど、明らかな格差の要因がわかり興味深かった。第2章の職務評価と是正賃金についても、興味深かった。こうした、職務の割り当てや昇進の条件の差について男性はどう受け止めているのだろうか。第2部を読んで、女性だけでなく、男性側の降りられない競争に対して疑問を感じた。2017/01/26

Go Extreme

2
職務格差―この問題をとりあげる理由:性別役割分業 基幹労働者 家族重視・職場重視モデル 仕事を通した格差の形成:なぜ「女性活用」は進まなかったのか―性別職務分離の過程分析 職務評価と是正賃金―同一価値労働同一賃金原則の考えから 雇用における年齢制限 女性のNPO活動と金銭的報酬 不透明な時代の人々の意識:超氷河期に就職した若年層の管理職志向 雇用不安定化のなかの男性の稼ぎ手役割意識 競争社会における親の子どもへの期待 女性の活躍推進」になにが必要なのか:労働過程における女性の振り 職務格差の形成と意識2019/11/18

カモメ

2
今まで女性労働が家庭責任という側面から考えられてきた事やジェンダー視点の必要性といった問題意識に共感でき、内容もジェンダー視点を重視したものでボリュームもありました。特に1章は自分の職場にも当てはまるもので共感しながら読み進めました。ただ性別職務分離が依然として残っている事が挙げられていましたが、それが何故なのか、という所まで踏み込んで欲しかったです。終章でも他の論者の引用が多く、現状に対しての原因や今後の展望は弱かったように思いました。男性の方がより男性らしさからおりられないというのは興味深かったです。2018/03/07

RISK

0
著者の集大成、という感じなのか、古い調査の再分析ができる様になったのか、均等法時代の調査結果が入っていてそれはそれで興味深い。(均等法を経ても周囲、特に直属上司の意識が変わらないと女性向け職務ができるだけ、という流れではあるけれど) 手の届かないものに憧れることはないので、女性にとって出世が「手の届かない諦めるべきもの」にならないようにしていこう、という主張には同意。そこまでが長かったけど。2017/04/28

けいすけ

0
【図書館レンタル】途中で挫折。娘が将来キャリアを築くために何が障害になるのかを勉強しようと思って借りたが、完全に論文のような本で挫折。2020/08/08

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