現代認識論入門 - ゲティア問題から徳認識論まで

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現代認識論入門 - ゲティア問題から徳認識論まで

  • 著者名:上枝美典
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 勁草書房(2021/02発売)
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  • ISBN:9784326102839

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内容説明

英米哲学の確固たる一分野でありながら、問題が多様化し、全体像を見通すことが困難となっていた現代認識論。ゲティア問題とその解決のための試みを軸に、外在主義の流れとその反動としての内在主義、さらに文脈主義や徳認識論、知識第一主義といった最新の動向まで、ダイナミックな展開を一望のもとに描く画期的な入門書が遂に登場。

目次

まえがき

第1章 知識の標準分析
 1.1 知識とは正当化された真なる信念である
 1.2 真という要素
 1.3 信念について
 1.4 真の信念は知識に足りない――正当化
 1.5 定義をマスターしよう――必要・十分・必要十分
 1.6 三つの要素がすべて必要なのか

第2章 ゲティア問題とは何か
 2.1 ゲティアはどのように標準分析を批判したか
 2.2 正当化された真なる信念が知識でない二つの事例
 2.3 ゲティアは二つのことを前提する
 2.4 ゲティア問題へ接近してみる
 2.5 挑戦1――証拠の品質をもっと上げよう
 2.6 挑戦2――証拠が無効になってはいけない

第3章 因果説による対応――外在主義その1
 3.1 方針転換――知識から偶然を排除する
 3.2 知識の因果説
 3.3 ドライブ中のヘンリー――識別説
 3.4 ノージックの追跡理論

第4章 信頼性主義への発展――外在主義その2
 4.1 真打ち登場――信頼性主義の基本的なアイデア
 4.2 信頼性が大切なのはあたりまえ?
 4.3 信頼性を担うもの――トークンとタイプ
 4.4 全体的な信頼性
 4.5 一般性問題という難問
 4.6 まだまだいっぱい問題がある

第5章 証拠主義という対案――内在主義
 5.1 戦線の撤退と立て直し
 5.2 フェルドマンとコニーが証拠主義を語る
 5.3 証拠主義は内在主義なのか?
 5.4 根拠付け要件――もってる証拠はきちんと使おう
 5.5 チザム型内在主義とそれへの批判
 5.6 精神主義――証拠主義を外在主義に拡張する
 5.7 証拠主義は信頼性主義として生き残れるか?

第6章 証拠の構造――基礎付け主義と整合主義、そして無限主義と基礎付け整合主義
 6.1 証拠はどこまでも続くのかそれとも循環するのか
 6.2 基礎付け主義――証拠はどこかで止まるはず
 6.3 整合主義――信念はすべて平等だ
 6.4 無限主義――無限遡行でもオッケー
 6.5 フローチャートで整理しよう
 6.6 基礎付け整合主義という選択肢

第7章 文脈主義というムーヴメント――現代認識論の新展開
 7.1 現代によみがえった文脈主義
 7.2 帰属者文脈主義とは何か
 7.3 文脈主義が懐疑論を解決する?
 7.4 懐疑論を取り扱う準備をする
 7.5 懐疑論の種明かし
 7.6 鈍感なのに認識的立場が強い信念
 7.7 不変主義――デローズへの反論
 7.8 新相対主義――査定者の視点
 7.9 文脈主義論争について今の時点で言えること

第8章 徳認識論の登場――信頼性主義の発展形
 8.1 徳認識論とは何か
 8.2 初期の徳認識論
 8.3 徳信頼性主義の現在
 8.4 徳責任主義

終章 知識第一主義は新しい地平を切り開くのか
 9.1 ゲティア問題作成レシピ
 9.2 プリミティヴとしての知識
 9.3 知識第一主義はゲティア問題を解決するか?
 9.4 終わりは始まり

参考文献
あとがき
索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

3
ゲティア問題に端を発する英語圏の現代認識論が依拠するデフォルトの知識定義JTB(Justified True Belief)は、真理の対応説をベースにしている。Jは信念が根拠づけられていること、Tは信念が実在の側の在り方に照合して正しいことをそれぞれ条件として要求する。個人的にはJとTを独立な条件とみる発想(本書の理解はこの前提を必須としている)が理解できていないのだが、根拠付けは認識の枠組み内に留まる内在的なもので、真理は認識と実在の対応(?)という外在的な状態として考えればよいのだろうか。2024/08/19

愛楊

2
分析的認識論入門。「現代哲学のキーコンセプト」シリーズほどのクオリティの高さで満足できる入門書だった。まあ上手くいかないだろうね。なぜならば、「知識」という概念の解明は我々の直観の関数であり、我々の直観はその概念の社会的な使用に過ぎないからだ。可能世界を用いて無闇に形而上学化しようとするのも頂けない。2024/09/04

わんぱら

2
ゲティア問題を用いて、認識論(の中でも知識論)の展開を丁寧に追っていく本。内在主義や外在主義、鋭敏性、安全性などのこの問題に対する立場が、問題の解決法とその失敗、そして修正というストーリー仕立てで展開されていくので、どれも非常にわかりやすいし、位置づけが明確になる。どれも部分的にしか知らなかったので非常に勉強になった。他方で、認識論のテーマでも触れられていないこと(IBE関係)もあり、認識論の主題を網羅的に扱っているわけではない。ただ認識論が知識論を中心としているのは確かなので、分量からしてちょうどよい。2020/09/14

Go Extreme

1
https://claude.ai/public/artifacts/366f8c65-c865-4467-8e51-6155336af44a 2025/06/27

すずき

1
認識論の主要な議論をまとめた、優れた入門書。初歩的なことではあるが1章で必要十分条件について触れつつ、信頼性主義・徳認識論等の諸説の特徴づけでそれが効いてくる構成は、議論の要点をわかりやすくしていて良い。議論状況の整理としては特に文句はないが膨大に出てくる思考実験は直観を共有できないケースも多くあり、この点はまさに流行の実験哲学が補完している部分なのだろうと思う。整理の仕方にも色が出ると思うので7章の議論の幾つかは文脈主義に紐づけすぎない方がいいと感じる人もいそうでこの点は書評等に期待したいところ。2021/01/18

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