内容説明
台湾に逃げ込んだ後も大陸反攻を諦めないショウ介石。砲撃と動員で台湾への圧力を強める中国共産党。同盟国の信頼を勝ち取りたい一方で無用の戦争を避けたい超大国アメリカは、この「二つの中国」にいかに向かい合ったのか? 米中国交正常化までの流れを一貫した視点で描き出す。
目次
はじめに
第1章 アメリカの中国政策を説明する
1 信頼性と安定の均衡の追求
2 中国政策をどう見るべきか
3 同盟を通じた小国の抑制
4 史資料と先行研究
第2章 冷戦の波及 ――一九四八~一九六〇
1 失われた中国政策の転機
2 台湾海峡の中立化へ
3 海峡危機と安定の模索
第3章 強く、独り立ちした中国 ――一九六一~一九六三
1 政権初期における中国政策再検討
2 一九六二年における台湾海峡の緊張
3 中国政策の揺り戻し
第4章 核開発とベトナム戦争 ――一九六三~一九六八
1 中国核開発
2 対立の中の共存
3 国府の焦りとアメリカによる抑制
第5章 米中和解プロセスの始動と頓挫 ――一九六九~一九七六
1 キッシンジャー回顧録と伝統的見解
2 米中接近へ
3 米中交渉と台湾問題
4 ニクソン訪中後の米中交渉
第6章 米中国交正常化と台湾問題の「不完全な決着」 ――一九七七~一九七八
1 カーター政権初期の対中アプローチ
2 中国への再接近
3 米中国交正常化の実現
第7章 抑制と準備 ――一九六九~一九七九
1 米中接近と対華政策方針
2 ニクソン訪中発表後のアメリカ対華政策
3 断交後の国府と台湾
終章 米中共存の背景と意義
1 本書の説明
2 疑問に答える
3 説明の意義
あとがき
注
参考文献一覧
人名索引
事項索引