コンヴァージェンス・カルチャー

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コンヴァージェンス・カルチャー

  • ISBN:9784794972484

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内容説明

オードリー・タン氏(台湾デジタル担当政務委員大臣)推薦!
メディア論・ファンダム研究の名著、待望の邦訳!


『サバイバー』、『アメリカン・アイドル』、『マトリックス』、
『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』……
世界的ヒットを記録したエンターテインメントは、
多くのファンたちが積極的に参加することで熱狂の渦が生まれた。

映画やアニメ、ゲーム、コミックなど多岐にわたる
メディア・プラットフォームのもとに、
ポップカルチャーのファンたちは集まり、コミュニティをつくる。
そこは新しい知識が生み出され、主体的な参加が促される創造的な場である。
もはやメディア産業もファンダムを無視してコンテンツをつくることはできない。

メディア研究の第一人者が、<コンヴァージェンス>の理論をもちいて
トランスメディアの複雑な関係を読みとく古典的名著。
ファンと産業界が衝突しながらも
ともに切りひらいてきた豊かな物語世界の軌跡をたどり、
参加型文化にこれからの市民社会を築く可能性を見出す。

オードリー・タン氏
「参加型テクノロジーによって、私たちはメディアのリテラシーだけでなく
コンピテンシー(実行力)を手にした。本書はこのことを全世代に知らしめた。
私たち自身のメディアと物語(ナラティブ)を社会的に作り出すことが
集団的な覚醒へと繋がるのだ。

本書で描かれる現象は、「ひまわり運動」など台湾で目下進行中の
民主化プロジェクトを支えているものである。
「達成可能なユートピア」というヴィジョンを通じて、
私たちはロックダウンなしでパンデミックに、テイクダウンなしでインフォデミックに反撃できたのだ。
という宣言である。」

【目次より】

イントロダクション「コンヴァージェンスの祭壇で祈ろう」
──メディアの変容を理解するための新しいパラダイム

第1章 『サバイバー』のネタバレ
──知識コミュニティの解剖学

第2章 『アメリカン・アイドル』を買うこと
──私たちはリアリティ番組でどのように売られるか

第3章 折り紙ユニコーンを探して
──『マトリックス』とトランスメディアのストーリーテリング

第4章 クエンティン・タランティーノの『スター・ウォーズ』?
──草の根の創造性とメディア産業の出会い

第5章 どうしてヘザーは書けるのか
──メディアリテラシーとハリー・ポッター戦争

第6章 民主主義のためのフォトショップ
──政治とポップカルチャーの新しい関係

結論 テレビを民主化する? ──参加の政治学

あとがき ──YouTube時代の政治を振り返る

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

8
2006年原著刊行なので、カルスタの議論と共に同時代のロマン主義的シニシズム、趣味縁、一般意志2.0、フラットカルチャー、カーニヴァル化などのキーワードを想起しながら読むことができる。こうした同時代の英米圏を比較することで国内の動向の異同もよりよく理解できる。この本が2021年に翻訳刊行されたことは見た目以上の理由がある気がしている。Y2Kファッションが流行りリアリティ番組で自殺者が出て、コロナ禍でサブスク動画を延々自宅で見たりzoom会議をしたりするしかなかった我々の現在もまた、この議論の延長戦なのだ。2023/03/14

medihen

6
90年代の米国ファンダム文化研究の延長としてインターネット時代初期のファン参加型コミニュティの実相を渉猟し、メディアとファンの関係変化の様相を報告。主に取り上げられているコンテンツ=コミュニティは、『サバイバー』『アメリカン・アイドル』『マトリックス』『スターウォーズ』『ハリー・ポッター』だが、コラムも含めると『ツイン・ピークス』『ブレア・ウィッチ』からポケモン、マーベル/DCマンガヴァース、北米におけるアニメ紹介のファンサブ活動や日本のコミケまで、思い当たるファン参加型のトピックが一通り押さえられている2021/07/03

富士さん

4
生産者と消費者が相互作用しながら市場を作っていくということに新しさはまったくない。同様の事例は日本でも古くから紹介され、オタク論やブランド研究、聖地巡礼などでも同様の理論が提示されています。でも、本書はとても斬新なのです。事例を丹念に紹介し、幅広く結びつけることによって、抽象的なメディア論でありながら当事者目線で、預言や説教に堕す事を防いでいます。本書を読むと、なぜ日本でこのような魅力的な議論が生まれなかったのかと残念に思います。それは対象とする社会の違いではなく、メディア研究の水準の問題なのでしょう。2021/08/11

Jey.P.

3
ファンの参加型文化を解説した本 サバイバー・アメリカンアイドル・マトリックス・スターウォーズ・ハリーポッター・政治 原書2006年 訳者あとがきにあるようにもっと早く訳されてば…という感じ 今となっては経験的に理解している話が多く、エピソードの紹介が中心なので物足りない感 政治に関する話は、ここからさらに進んだ結果を見るとやはりかなり楽観的だった ネタバレや作品の解読も、行くところまで行ったのが現実世界の「ネタバレ」の陰謀論かもしれない メディアの新旧交代ではなく融合という観点は大事にしたい2021/10/14

Go Extreme

2
イントロダクション:コンヴァージェンスの祭壇で祈ろう サバイバーのネタバレ─知識コミュニティの解剖学 アメリカン・アイドルを買うこと─リアリティ番組でどのように売られるか 折り紙ユニコーンを探して─マトリックスとトランスメディアのストーリーテリング クエンティン・タランティーノのスター・ウォーズ─草の根の創造性とメディア産業の出会い どうしてヘザーは書けるのか─メディアリテラシーとハリー・ポッター戦争 民主主義のためのフォトショップ─政治とポップカルチャーの新しい関係 テレビを民主化する─参加の政治学2021/03/07

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