アナグマ国へ

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アナグマ国へ

  • ISBN:9784105072216

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内容説明

アナグマ保護活動家だった祖母の足跡をたどり、イギリスで古くから親しまれてきた謎多きアナグマの生態と受難の歴史を繙き、ウシ型結核の温床として駆除の対象となり大きな社会問題となるまでを丹念に取材。フィールドワークをもとにした精緻な自然描写で、現代における動物と人間のあり方を問うネイチャー・ライティングの傑作。(解説・梨木香歩)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

34
イギリスにおけるアナグマ問題のルポルタージュ。古来からアナグマを害獣としてきたイギリスでは、巣を掘ってアナグマを捕らえるアナグマ掘り、捕らえたアナグマに犬をけしかけて惨殺する闘狢が広く行われ、近年ではウシ型結核を媒介する動物として目の敵にされてきた歴史がある。一方、これまたイギリスらしい自然保護の立場からアナグマを守るべきと考える保護論者も多くいて、保護と駆除の方針を巡る政治的な綱引きの問題として、イギリス政治社会の側面も知ることができます。従来あまりいいイメージではなかったアナグマ像が名作児童書の古典⇒2021/02/28

ばんだねいっぺい

25
ちょっと思っていたのとは、違ったが著者の愛するアナグマのためのメッセージを発する切実さが胸に迫った。人種差別などあるが、動物もまた、いかに迫害されていることか。そして、アナグマを擬人化させる絵本の力の素晴らしさも感じた。いろいろと思うところがあった。2021/03/14

ようはん

20
日本だとアナグマはいまいちマイナーな動物のイメージは強いが、イギリスだと人気創作物の主人公となったのもあり日本でいう狸ぐらいのポピュラーな立ち位置にあるのではないかというぐらいに感じる。上流階級のキツネ狩りに対して労働者階級で普及していたのはアナグマ掘りであるが、犬をけしかけてアナグマと闘わせる描写はかなり陰惨で禁止令が出るのも理解できる。それでも密かに行われている問題や、牛結核を媒介するとの事で駆除対象になるゴタゴタが生じてしまう等、難しい話である。2024/03/20

vonnel_g

3
イギリスにおけるアナグマの歴史と今。ネットニュースでアナグマ被って踊っている人たちの映像を見た人も多いと思うけれど、牛結核の運び屋と目されて駆除されており、その反対運動のためのものだそうで。ここで書かれているワクチンの結果は出たのだろうか。あの運動を主導しているうちの一人ブライアン・メイのインタビューも掲載されているのでファンは読むといいと思う。2021/03/14

御庭番

2
読売新聞の書評か何かに載っていて、興味をもった。 アナグマ国というタイトルにも惹かれる。日本ではアナグマはあまり身近な動物ではないが、ディズニーアニメーションなどでも出てくるように、欧米では春を教えてくれる動物としても知られるくらい、存在は子供でも知っている、と思ったら!そんなアナグマのイメージを覆すような災難だらけであった。自然と人間の接点を考えさせられる。【図書館で借りました】2021/03/15

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