内容説明
そもそも「社会」とはどういうものだったか?絶筆となった論考「「近未来」としての平成」を中心とした、橋本流「近代論」集成!橋本治が理想とした「原っぱの論理」とは何だったのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
26
養老氏は原っぱ=子供の領域がある、空き地=大人の領域という風に説明していた。その意味では既視感はある。お金が価値に占める割合がバブル以降も高くなり続けているため、三島由紀夫氏の危惧する経済至上な中身空っぽ日本が醸成されてきている。子供が空き地で遊ぶと不動産の価値を棄損したり、周りの住環境の質を低下させるという危惧から入るべからずと柵で覆い、ゲーム会社が子供の遊びを囲い込む、対人関係を磨けない子供たちは内側へ閉塞していく。ゲームも大事だし、不動産も大事だが、もっと価値に対する遊びが欲しいと思った。2021/04/03
練りようかん
14
未完の論考に遺稿のエッセイなどを収めた1冊。内田樹氏の序文で同時代に生きることができた幸せをしみじみと感じた。天皇崩御の数日が、昭和というのは結構面白いのではないかと気付かせた、マスコミの中にいて隔絶の体験をしたエピソードが意義的。原っぱでの在り方では未就学児時代の尊さを感じ、『アストロモモンガ』への思いへ進むと、一番健康な理性のわがままである冗談が、原っぱにいた子どもたちと、内田氏の「冗談のもつ批評性と豊穣性を橋本氏は信じていた」へ“接続”し、庭を横断しニタァと笑う幼き頃の氏の顔が浮かんだ。合掌。2026/01/21
templecity
12
昭和の終わりの記述に始まり東京オリンピック直前までの記述。著者自身がオリンピック開催直前の2019年に亡くなっている。昭和天皇崩御の時代も皮肉っぽく記載。バブルの時に不動産を購入して1坪600万円で借金を背負って生きる。2021/02/23
れん
11
内田樹さんの序文で、結構満足してしまった。私には難解な橋本治。昭和から平成の考察が印象的。癌の話は切なく、スピーチは清々しく。喪失感と感謝の気持ちで本を閉じました。2022/02/23
Inzaghico (Etsuko Oshita)
9
今は「空き地」はあるけれど「原っぱ」はない、という発言は、じっくり考えたい。空き地に勝手に入れば不法侵入になってしまう昨今、原っぱで子どもが約束もしないのにどこからともなく三々五々集まって、缶けりしたりドロケイしたりして遊んで、夕方になると散っていく、という光景を見なくなった。これはかつて夏彦翁が、昔は約束なしに相手を訪問できたが、今は先に約束を取り付ける、時代は変わった、みたいなことを書いていたが、それと通じるな。2021/03/29
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