内容説明
船の上の自分とそれを取り巻く半球のような湿原と空は、それで一つの完結した世界のように思われはじめた。世界中で日本に最も程遠い場所を探して出会ったのは、ナイル川上流の広大な湿地帯。果てしない青空と生い茂るパピルスだけの“緑の砂漠”──南から北へ東から西へ、世界を旅する作家は土地の姿を見つめ、人やけものたちと出会い、口福を味わう。豊富な知識に裏打ちされた、楽しく奥の深い紀行エッセー集。
目次
I 汽車と、世界の本当の広さについて
アジアは汽車がいい
ジュバへ行く船
野の料理
おじさんの宝貝
II あのクジラのこと
ヤップと彼女と「嘘の隙間」
ハナへの道
ヴァージン・アイランズの休暇
III 今なら間にあうヤンバル探検隊
与那国島は世界の中心
沖縄人のための越境のすすめ
IV 新大陸は元気
イギリスを出た人々
現代イギリス旅行文学撰
記憶の都市・イスタンブール
V 北欧の酩酊
蜂の旅人
あとがき
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