「未解」のアフリカ - 欺瞞のヨーロッパ史観

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「未解」のアフリカ - 欺瞞のヨーロッパ史観

  • 著者名:石川薫/小浜裕久
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  • 勁草書房(2021/02発売)
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  • ISBN:9784326248476

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内容説明

21世紀はアフリカの世紀、希望の大陸アフリカと言われているが、私たち日本人はアフリカのことをどれくらい知っているのだろうか。未開で開発途上の遅れた地域といったイメージであろうか。外交官時代にアフリカと深く関わってきた著者は「事実を事実としてとらえ」、従来のアフリカ本にはない特徴をもつアフリカ論を繰り広げる。

目次

はしがき

序章 未解のアフリカを考える

第1章 私たちの知らないアフリカ
 1 アフリカは私たちにとって未解か
 2 アフリカと外部世界

第2章 砂漠の向こうの王国
 1 砂漠の向こうに生きる人々
 2 鉄器の広がり
 3 砂漠の向こうの帝国(飛鳥時代から関ヶ原まで栄えたアフリカの国々)
 コラム 森の民との沈黙の交易──金の仕入れ方

第3章 四百年続いた拉致と社会の崩壊
 1 なぜ奴隷が必要だったのか
 2 奴隷狩りの始まりと奴隷の位置付け
 3 奴隷貿易のアフリカへのインパクト
 4 奴隷の禁止
 コラム 砂糖とキャッサバ
 コラム 赤土の大地の農業開発と日本──セラード高原

第4章 神々の大陸アフリカ
 1 雨と豊作を乞い、先祖や偉人を祀り、森や山には神が宿る
 2 イスラム教の興りとアフリカへの伝播
 3 聖家族はアフリカに避難していた
 4 アフリカのキリスト教王国
 5 エチオピアにおけるキリスト教とイスラム教
 コラム 日本とエチオピア
 6 東西に走るイスラム教とキリスト教の境界線
 7 イスラム圏における世俗国家の重要性

第5章 ウェストファリアの呪縛──言語と国家
 1 文字と母語
 コラム 学校で教える「国語」とは何か
 2 「民族国家」とは何か
 3 アフリカの苦悩あるいはThe United States of Africa
 4 民族自決?
 コラム 国際語とは何か

第6章 教育は大事だと言われても
 1 なぜ学校に通えないのか
 2 アフリカの教育現場
 3 教育と食
 4 職業訓練の重要性

第7章 病との闘い
 1 国家と健康
 2 熱帯病
 3 エイズ・結核・マラリア
 4 熱帯病の根絶へ
 5 水と衛生

第8章 立ち上がる女性たち
 1 闘う女性たち
 2 母系社会の伝統
 コラム 風呂好きだったマリとソンガイの女性たち
 3 活躍する女性たち
 4 働く女性たち

第9章 ニュー・インダストリーの興隆
 1 アフリカの農業
 2 地元消費者が支えた酪農
 3 「ニュー・インダストリー」の影をチャンスに
 4 換金作物コーヒー

第10章 サブサハラ・アフリカの経済発展──Africa Rising?
 1 サブサハラ・アフリカの経済──アフリカは元気か?
 2 資源の呪い
 3 経済発展は不断の構造調整
 4 植民地主義・資源・まともな政府

あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

30
著者の一人石川はエジプト大使などを務めた元外交官。アフリカには興味を持ってきたが、この本ならではのポイントが多く読み甲斐がある。◇日本の援助の例として語られる、技術だけでなく工場でのふるまいを教えるセネガルの職業訓練センターだったり、少額で売られる殺虫効果が長期間続く住友化学の蚊帳だったり、下痢による死亡を激減させた遠野のかまど…、ハード一辺倒でもパターナリズムでもなくて誇らしい。熱帯病根絶への橋本小渕時代の取組も。◇小農主体のコーヒー、花。地道な発展。◇16世紀コンゴ王の奴隷貿易廃絶の懇願の手紙は悲痛。2018/07/12

BLACK無糖好き

16
アフリカに関する解説本。奴隷貿易をはじめとする歴史的経緯、宗教や教育、熱帯病から新興産業・経済発展にいたるまで多面的に叙述。言語の多さに圧倒された。国土の広さや周辺地域との距離感などは地球儀で確認しながら読み進めた。◆イスラム教地域とキリスト教地域の微妙な均衡が、英米主導の南スーダン独立で壊されたとの指摘は興味深い。◇欧米の傲慢さの強調が目立つが、どうせならアフリカでの紛争で独裁政権に大量な武器を売りつけて、大儲けしている英米の武器製造会社についても詳らかにするべきだったのではなかろうか。2019/01/15

かんがく

12
欧米に対しての嫌悪感が表に出すぎな感じもあったが、アフリカ地域の捉えなおしとしては成功している。偏見や差別を取り払おうという強い意志が伝わってくる。紛争や貧困のみでなく、病や水などの問題点にも触れており、広い知識を得ることが出来た。2020/11/14

犬養三千代

9
読みごたえのある良書。アフリカの過去から未来。色々な王国が生まれ破れていった。イギリスとアシャンティ戦争なんて明治初期だ。土足で歩き回ったヨーロッパの人々。 医療、教育、民族自決など様々な問題の提起。解は無いかなぁ。2019/02/20

kenitirokikuti

8
図書館にて。メイン著者の石川は70年代生まれ、東大法・外務省・仏ポワティエ大という経歴。もう一方の小浜は開発経済学の専門家。やはりアフリカに関する知識は乏しいなぁ、と改めて感じさせられた。地中海周辺、湾岸周辺、コンゴ、南ア、あとゾマホン・ルフィン氏で多少ベナンが分かる程度だ。まぁ、アフリカ大陸は中国よりも遥かに広大なので、やっぱ想像が及びにくいな▲中世アフリカの鉱業が、奴隷貿易により中南米に移殖された。これは知らなかったな▲開発について。かつては東・東南アジアの方がサブサハラ地域よりも貧しかった。忘れがち2021/03/23

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