内容説明
1969年、ひとりの大学図書館員がサンフランシスコを訪れた。数百年ものあいだ行方不明の貴重な書物(予言の書という説も!)を見つけ出す使命を帯びて。エイジャックス・ペナンブラという風変わりな名前ののっぽの青年は、手がかりを求めて街中をさまよった末、真夜中に一軒の小さな書店に行き着く。薄暗い店内に異様に背の高い本棚が並ぶその〈二十四時間書店〉は、店名どおり終日休まず営業していた――〈二十四時間書店〉の誕生秘話をまじえて語られる、本にまつわる少し不思議な冒険の物語。本と書店を愛するすべての人に贈ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
245
幻の古書を探して、青年がたどり着く、サンフランシスコの24時間書店。探索の行き着く先に、この街の過去と現在(1969年)が交差する。古書店主モーのオススメ本(ミステリー・SF小説が中心)は読みたくなりますね。本と書店を愛する人の読書欲をチョコっとくすぐるかもー。2021/05/05
みかん🍊
99
大学図書館勤務の青年が館長の命を受け数百年の間行方不明の本を探し求めたどり着いたのはサンフランシスコの24時間書店、そこには天井が見えない程の高い本棚がならび終日営業の中夜中にも人が集まってくる風変りな書店、幻の本を求め奇妙な店主と書店員の手を借りる。天井まで並んだ本棚にはどれ程の本が並んでいるのか、本を求めての不思議な冒険物語だった。2021/06/01
ばう
72
★★★ 『ペナンブラ氏の24時間書店』の前日譚。前作は恥ずかしながら現代の電脳社会についていけない身には中々理解出来ない部分もありましたが😅こちらは舞台が1969年!コンピュータがまだまだ赤ちゃんの時代なので苦労せず楽しむことが出来ました。大学の図書館員ペナンブラ氏は幻の書を見つけ出すという使命を帯びてやって来たサンフランシスコで24時間書店に行き着きます。24時間書店誕生秘話、コルヴィナとの出会い。船の書店という発想も素敵!ボリュームのある1作目に比べるとあっさりした内容で番外編的なイメージ。2022/09/15
けんとまん1007
69
古書の持つ魅力とは何だろう・・と考える。そこにある時間の流れ、古の当時の人たちの息遣いが、その本の内容だけでなく、手触り感もあるのかと思う。そんな古書の中でも、希書とでも云えばいいのだろう、それを探し求めるものがたり。登場人物や、状況設定など、少し自分とは遠い世界のようにも思うが、ものがたりとして楽しめる。24時間開店の書店に集う人たちが興味深い。2025/07/01
茜
53
以前読んだ「ペナンブラ氏の24時間書店」の前日譚です。微かに記憶に残っているのは24時間書店は世界中にあったんだよなぁと。てっきりペナンブラが始めたと思い込んでいたのだけど、この頃から始まったのかぁと何だか懐かしくなりました。ロビン・スローン氏、日本ではこの他に一冊出していて全部で3冊しかないみたいだけど翻訳されていないだけなのかな?是非また24時間書店の物語を出して欲しいと思いました。2023/05/08