- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
本書では、イタリア文化の「形」で止まらずに、その「神髄」まで遡って説明しようとした。イタリア人の目を借りると、イタリア人への理解を深められる。そうすることで、「いつものイタリア人」でありながらまったく「新しいイタリア人」像が見えてくるのだろう(「まえがき」より)。――イタリア文化を見つめる旅は、日本文化を再発見する旅。夏目漱石など日本文学を愛するイタリア人がユーモアを交えて綴った心温まるエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin-blue
38
まあ日本人だってひとくくりにされても十人いれば十通りなように、イタリア人だってそりゃあいろいろな人がいるでしょ。いわゆる恋愛至上主義でラテン系なイメージには激しく抵抗がある、というのは他のイタリア人からも身近な人づてに聞いてた話。日本人ってのはある方に押し込めて他の集団(民族とか職業とか)を語るのが好きなんですかね。それともこれって他の国でも同じ?恋愛でくくらず、別の切り口でくくっても合わない人、不満な人もいると思うけれど。海外エッセイは好きだけれど「〇〇(人は)〇〇」というとらえ方にはちょっと食傷気味。2024/01/29
グラコロ
18
BS日テレの“小さな村の物語 イタリア”はなかなか味わいのある番組でかなりのお気に入り。そこにはいわゆるステレオタイプのイタリア人は出てこない。それにしても、お喋り好き、距離感ゼロ、北部はおとなしくて南部は陽気、オカンが好きって、まるで大阪人?2021/08/04
ソフィア
10
イタリア語を独学しており、イタリア人から見た日本文化に関心が湧いたため、読んでみることにしました。カリフォルニア日本人は真面目だというプラスにも受け取れるステレオタイプがありますが、イタリア人は女好きというマイナス要素のステレオタイプが強いので、度が過ぎると失礼にあたるのではないかと思いました。安易に異文化を笑いに変えるのではなく、バックグラウンドを理解する努力をしていきたいです。2022/06/26
utataneneko
8
イタリアが好きで、旅行に行ったり、イタリアについての本を読んだりしてきたけれど、日本人の私ですら、日本人の思い込みで勝手なイタリア像が作りあげられていることをひしひしと感じてきた。イタリア人は「ラテン系」でお気楽だとか、そういうステレオタイプがいまだにはびこっている。著者は、日本人によるイタリアに対する「誤読」を、文化や風土などといった背景を考察しつつ、一つ一つ解き明かしていく。イタリアに限らず、様々なバックグラウンドを持った人たちに対して、頭から決めつけず、柔軟に応対していきたいなと改めて思った。2022/02/21
なおこっか
8
鷲田清一氏が“折々の言葉”で取り上げた一冊。イタリア人の有り様を正誤ニ択で語るは如何かと思うが、聞きかじりで理解した気になる向きに本人から一言あり、の本。鷲田氏も抽出した家族の話が良い。喧嘩の多い祖父母に離婚しない訳を聞くと「モノは壊れたら捨てるのではなく直すもの」と答えるお祖父さん。息子の友人を心からもてなすご両親。イタリアのもてなしオスピタリター文化は、古代ローマから継承され、遡れば古代ギリシャのクセーニア(お客は誰でもゼウスに送られた聖なる者)ではというが、そこに「まれびと」との共通性は見えないか。2021/08/25