ヴェルサイユ宮の聖殺人

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

ヴェルサイユ宮の聖殺人

  • 著者名:宮園ありあ【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 早川書房(2021/01発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152099976

ファイル: /

内容説明

1782年5月――ブルボン朝フランス王国が黄昏を迎えつつある頃、国王ルイ16世のいとこにして王妃マリー=アントワネットの元総女官長マリー=アメリーは、ヴェルサイユ宮殿の施錠された自室で刺殺体に遭遇する。殺されていたのは、パリ・オペラ座の演出家を務めるブリュネル。遺体は聖書をつかみ、カラヴァッジョ「聖マタイと天使」に血文字を残していた。そして、傍らに意識を失くして横たわっていたのは、戦場帰りの陸軍大尉ボーフランシュだった――。マリー=アメリーは集った官憲たちに向けて、高らかに告げる。「この方の身柄を預けて下さいませんこと? 私のアパルトマンで起きた事件です。こちらで捜査しますわ。無論、国王陛下の許可はお取りしますからご安心下さい」「俺は助けて欲しいと一言も言ってない! 」かくして、奇妙な縁で結ばれた、才女気取りのやんごとなき貴婦人と第一容疑者のボーフランシュ大尉は、謎多き殺人事件に挑む。第10回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作品

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

231
第十回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作ということで読みました。読み易く当時のフランス、ヴェルサイユ宮殿の雰囲気は楽しめました。但し、ミステリとしては今一、大賞を受賞するまでの作品ではない気がします。今回の大賞受賞作『地べたを旅立つ』を機会を見つけて読みたいと思います。 https://www.hayakawa-foundation.or.jp/business/christie_prize/christie_prize-1543/ 2021/04/07

みっちゃん

167
まるでベルばらの世界。革命前夜、ヴェルサイユ宮で起きる殺人事件。探偵役のバディを務めるのは、未亡人の公妃と、融通の利かない将校。あのルイ16世にマリー・アントワネットにモーツァルトもチョイ役で登場。目も眩むような豪華絢爛な貴族たちの暮らしぶり、庶民の風俗。巻末の膨大な参考文献から、よく調べて書き込まれたのだなあ、と興味深く読んだ。軽め、と思わせておいて、実は重厚なミステリーだった。辛く、心が塞ぐような真相ではあったが。主人公の二人のその後、後日談も見てみたくなる。2021/04/15

散文の詞

159
タイトルは比喩なんだろうと思っていたら、本当に1700年台の話で、時代背景がさっぱりわかりませんでした。 これは、大変かもと思いながら読み出しましたが、カタカナが多いことくらいで割と読みやすかったです。 私としては、探偵役のコンビが面白くてそれだけで読み進めてしまった感じです。 オーソドックなミステリーですが、それに関しても楽しめると思います。 でも、カタカナがね。多いんですよね。 2022/01/12

ちょろこ

140
煌びやかな世界と血生臭さ、この対比に魅せられた一冊。表紙の煌びやかな世界にうっとりしつつページを開き待ち受けるのは血生臭い事件。その事件に挑む公妃と大尉。煌びやかな世界をベースに描きながら血生臭い事件、残虐さを盛り込むこの対比と二転三転の展開に魅せられた。高貴なお方達の娯楽の裏側では残酷な行為、哀しみもまた溢れていたことがせつなさを煽る。この時代のフランスってなんでこんなにも心を鷲掴みにして魅せてくれるんだろう。実在した人物の絡ませ方も良かった。しばし心はフランスへトリップ、ラストまで楽しめた。2021/05/18

えみ

65
1782年のフランス王国。国王ルイ十六世に王妃マリー=アントワネット、華やかな王族達の宴の先で待ち受けていたのはヴェルサイユ宮殿で起きた禍々しき殺人事件。哀しき真実がこの後のブルボン朝フランス王国の行く末を暗示しているかのようだった。とにかく憧れの時代。皆着飾り、芸術に溢れ、煌びやかで素敵な香りがむせ返るように漂う王朝時代。雰囲気だけで100%満足の一冊。殺人さえ華やかに思えてしまう謎多き殺人事件に、否応なく引き摺り込まれたボーフランシュ大尉と公妃マリー=アメリ―。二人の飾らないやり取りがたまらなく好き。2021/04/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17060995
  • ご注意事項