内容説明
コロナ禍で、多くの企業や労働者が苦しんでいる。失業者は増え、中小企業を中心に倒産が相次いでいる。GDPは激減し、日本経済が疲弊している。
この現状を救うためには、個人への継続的な現金給付「ベーシックインカム」の導入が必要だと本書の著者である井上智洋氏・小野盛司氏は主張する。
つまり、赤ちゃんからお年寄りまですべての国民に、無条件にお金を配るという政策だ。しかも特別定額給付金のように1回配ったきりではなく、継続して配る。
そしてその額は、小野盛司氏がシミュレーションした結果「年120万円までは十分可能」だという。
生活が苦しい人も、お金持ちも、中間所得層も、みんながより豊かになる。ほとんど誰も損をしない。しかも日本経済が復活する。そんな可能性を秘めているのがベーシックインカムだ。
しかし、財源はどうするのか? 将来世代が借金で苦しむのでは? そんなにお金をもらうと働かなくなってしまうのでは?
そんな疑問に、二人の専門家がわかりやすく答える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Eri
2
自分がそうなって欲しいと思っているせいか、とても納得して読むことができました。 とにかく日本はケチケチ病で、インフレを異様に怖がっていて、デフレのまま経済が停滞(むしろ下降)している、と。 教育にもお金を使わないので技術が発展していかないし、お金がないので子どもを育てられないと思う人が増えて少子化も解決していない。 この本の通りに、毎年120万円配ってくれたらいいのになぁ〜2021/05/04
好奇心の横断歩道を渡る!
1
マクロ経済モデルの日経NEEDSが、どのくらい精度が出るのか、知りたくて読んだ。現金給付した場合のシミュレーションなどを中心に、主張が展開される。江戸時代にも通貨の流通量を増やした時期に文化が花開いた、とか、BIの実験で幸福度の上昇が一貫して見られる、といった内容は面白かった。2020年からのシミュレーションの結果ばかりで、まだ実測の統計が出ていないので、日経NEEDSの精度は分からなかった。2021/05/11
ちゃん太郎
0
貨幣は買い物ができる無利子永久債。今はゼロ金利なので国債を発行するのはお金を刷っているのと変わらない。2021/03/16