囚われし者たちの国 - 世界の刑務所に正義を訪ねて

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囚われし者たちの国 - 世界の刑務所に正義を訪ねて

  • ISBN:9784314011792

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内容説明

「何かがひどく間違っている」
終身刑制度と死刑制度をともに有し、世界で最も多くの人を、ことに貧しい人々を収監している国、アメリカ。世界に輸出されたこの「大量投獄」というシステムはしかし、失敗ではないのか? 刑事司法を専門とする大学で教えるかたわら、収監者への高等教育と社会復帰支援活動に携わる著者は、再犯率が6割を超えるアメリカの刑務所制度に疑問を抱き、世界の刑務所を見てまわることにした――

ルワンダではジェノサイドの被害者と加害者が対話する更生プログラムに立ち会い、ウガンダでは囚人に向けた文章創作教室を自ら開くほか、過去に獄中で巨大犯罪組織が生まれたブラジルの超重警備刑務所や、オーストラリアの民間に委託された刑務所、そして、アメリカと対極にある開放型のノルウェイの刑務所など世界9か国を訪ね歩く。

刑務所とは更生施設なのか、懲罰施設なのか。
贖罪とは、許しとは何か。
さまざまな問いを投げかける、他に類をみないルポルタージュ。

目次

1 復讐と和解――ルワンダ
2 謝罪――南アフリカ
3 鉄格子の中の芸術――ウガンダ、ジャマイカ
4 女性と演劇――タイ
5 独房監禁と超重警備刑務所――ブラジル
6 民間刑務所――オーストラリア
7 社会復帰支援――シンガポール
8 正義?――ノルウェー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

78
著者が問題提起する2つの”可能性”、「更生」と「能力」。費用対効果再検証に一理だが、一足飛びに司法制度/刑務所改革とつなげるかは疑問符。その是非は専門家に委ねるが、各国の文化や歴史にも紐づく本質的な問題の解消が、前提であるとも感じる。う~ん、鶏と卵の世界。掲載9ヶ所訪問を踏まえても、再び辿り着く『修復的司法』。癒し。過去の償いと未来の代償、罪と罰の天秤に尊厳という錘は、どうあるべきか。著者の”偏り”は、是非云々ではなく問題提起と解釈。罪を憎んで人を憎まず、理想と現実を踏まえた心の整頓も必要也。2021/03/26

こばまり

59
ネルソン・マンデラの言葉「刑務所はそれを生み出す社会を忠実に写す鏡」そのままの状況が提示される。例え開放的であっても、長期に亘り人を拘束する仕組みの歪さを確認する。小説やエッセイの趣もあり、著者と共に首を捻ったり感動したりで心が忙しい。2021/07/17

くさてる

19
刑務所内で大学レベルの教育を提供し修了者を大学に受け入れるプログラムを実施している女性教授が、世界の刑務所を訪ねて、司法のあるべき姿をとらえ直そうとした旅を綴ったもの。個人的にはこの本のテーマは「贖罪」だと思う。罪を負ったものが本当に許だけど、一方的な内容ではなく、被害者の存在も忘れていない。さらに、刑務所で囚人の待遇を良くして万々歳、などという簡単な話でもない。重い内容だけど、読み応えのある面白さと明るさと強さがあって、読後感は良かった。おすすめです。2021/03/27

犬養三千代

7
正義を訪ねてという副題。 刑務所の処遇の国による差ご大きい。最後のノルウェーは例外!としても。 被害者、加害者双方のウガンダの人たちの寛容にも驚く。 正義の反対側にも正義!これドラえもんの中のセリフ。 2022/02/11

マイアミ

6
★★★ 日本ではちょうど麻薬使用罪について議論されている。麻薬の所持と売買が違法でなぜ使うことが違法ではないのかと思っていたし、使用するのは当然罪として裁くべきだとも思っていたが、この本を読んでいくうちに考え方が変わっていった。非暴力の犯罪や軽微な犯罪者については断罪するよりも更正に力を入れ、社会にもう一度取り込んでいくようなことが必要だと思った。受刑者が贖罪し外に出てきても外の人々はそれで贖罪されたとは考えていないという一節も印象に残ったし、ルワンダ虐殺における赦しもSNSに対するアンチテーゼに感じた。2021/06/05

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