角川文庫<br> アルプスの少女ハイジ

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角川文庫
アルプスの少女ハイジ

  • ISBN:9784041092477

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内容説明

両親を失いながらも、太陽のように明るく人々の心を照らす少女ハイジ。アルプスの山小屋で孤独に暮らすおじいさんとの絆、ヤギ飼いのペーターやその家族とのふれあい、足の不自由な少女クララとの出会いと友情――。雄大な自然を背景に、深い喪失感を抱く人々が、ひとりの少女によって人間性を回復し再生していく、愛と感動の物語。
 1880~81年に発表された『ハイジ』は、当初から大評判となり、いまも世界中で翻訳・劇化・映像化されている。日本でもアニメが大ヒットし、児童文学として多くの絵本や抄訳が出版されているが、原作は、家族の絆や地域社会との共生、エコロジーな暮らしへの回帰など現代的なテーマにあふれ、大人にこそ考えさせられることが多い本格的な文学作品である。
 本書は、シュリンク『朗読者』の翻訳で数々の賞を受賞した、ドイツ文学者・松永美穂氏による渾身の完訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

neimu

57
頂き物。完訳だというが、まだ読み終えているわけではない。初読は少年少女世界の名作文学で。何度も読み返し、生まれて初めて21歳の海外旅行ではチューリヒから電車に乗って雪の残る3月、アルムの山々、ハイジの世界を辿りに行った。帰りはバッドラガツまで一駅歩いたよ。今から思えば大胆だった。子供の頃の読書体験はかくも若き頃の私を動かし…の思い出に浸りつつ、少しずつ読書中。ちなみに干し草のベッドは体験したことは無いが、農家出身の老母の幼いころは藁布団だったそうで。山羊は羊が飼えない土地の遊牧と大人になってから知った。2021/03/08

pirokichi

22
すごくよかった。アニメの印象しかなくドイツ文学者による訳本があるとは知らなかった。ハイジに出会って変わっていったアルムの「おじいさん」。おじいさんの変化が伝染し、みんなも笑顔になっていく。素直に気もちのよい、アルムの美しい景色の中で深呼吸したような心が浄化される作品だった。アルムのおじいさん、ペーターのおばあさん、クララのおばあさん…老人たちがハイジをよい方向へと導いていく描かれ方もよい。ハイジもクララもペーターもユキピョンもとてもかわいい。スイスのハイジ村、いいなあ。今から142年前、1880年の作品。2022/04/03

コニコ@共楽

22
来週の読書会に向けて、違う翻訳で再読です。光文社古典新訳文庫は挿絵ありでしたが、どちらの翻訳読みやすくサクサクと読めました。再読して印象深かったのが、ハイジのおじいさんの生活力です。自家製のチーズやバターなどを売って生計を立て、大工仕事の心得もあり、病人を介護する技も身につけ、植物動物のことも熟知しているなんて、すごいです。この頑固な70代のおじいさんが、ハイジを中心に皆と過ごすようになって、老年に”愉快な”生活を送れるようになることが嬉しかったですね。2021/12/11

Inuko

21
子どもの頃と同じように、アルプスの描写やおじいさんの作るチーズに心ときめかせながら読んだが、自然賛歌だけではなく、神を信じて生きる人々の姿に重きが置かれ、福音を伝える作品であることは今回初めて知った。私は、ハイジがフランクフルトでの苦しみを通して学んだ「待つ」こと「安心して」いることが大切なテーマだと思う。また、あなたがここにいることが何よりも嬉しいと伝えること(祝福)や、おじいさんの清潔で丁寧な暮らしぶり(自律)が心に留まった。神への賛美と感謝が溢れるラストは、ベートーヴェンの歓喜の歌が聞こえてくるよう2021/11/27

みゆき・K

19
アニメでお馴染み。児童書で読んで以来、以前からちゃんと読んでみたかった作品。改行が少ない上に、そこで、そうして、そんなわけで等の多用のせいか?直訳しすぎのせいか?テンポが悪くてさっぱり進まず、8日かかって読了。良い作品なんですが、読み難くて疲れました。 【2023.4.16追記】翻訳が読み難いので、光文社文庫版、遠山明子訳を借りて再読。← これの方が読みやすい。2023/04/08

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